其ノ参拾八／ ページ39
．〚side_紅丸〛
...一体俺は何を見せられてンだ。
俺の方を一切見ずに勝手に話を終らせ様としたAに腹が立ち、無理やり此方を向かせたが...
Aは溢れる涙を両手で拭いながら、まるでガキの様に泣きじゃくっている。
全く話が見えない。
...何が如何なってやがる。
「おい、言いたい放題言って俺の意見は聞かねェってか？」
『ッ...う、』
子供をあやす様に、Aを抱き締めて背中をそっと
「...おら、泣いてるだけじゃ分かンねェ。
彼女彼女ってお前、一体誰の事を言ってンだ」
『ヒック...べ、紅丸の...女』
「＿＿＿＿＿＿＿女ァ？俺に女何て居ねェよ」
お前ェに惚れてンのに、他で女作るワケねェだろ。
『だ、だって...さっき、一緒に歩いてッ...歩いてて、其れで、
す...す、好きだって、言って...』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿あー...、
そういう事かよ...あれを見て勘違いしたってか。
「ありゃァ、雑貨屋の太平ン所の娘のミチだ。
昨日足
其れに、彼奴と俺が好きだと言っていたのは、
A、お前ェの事だ」
"美人で優しくて気も利いて、強くてカッコ良くて。
Aさんの事、私、好きです"
"嗚呼、俺も、好きだ"
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ハァ、
先延ばしにしてたツケが此処で回ってくるとはなァ...。
格好もクソもあったモンじゃねェが...、
ちゃんと聞いてろよ。
Aの背中に添えていた右手を、再び頬へと持って行く。
潤んだ緋色の瞳が俺を映した。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺の女になれ、A。
ガキの頃からずっと、お前ェに惚れてる」
．
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
