其ノ参拾伍 ページ36
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...思わず出て来ちまったけど、此の後如何しよう...。
後先考えずに飛び出した事を後悔していると、甘い匂いが鼻を
「おや、Aちゃんじゃないか！お早うさん、食後のおやつにどうだい？」
『ユキさん！...あーでも、アタシ今持ち合わせねェから、気持ちだけ頂いとくよ』
「あらあら、いいのよお代なんて！いつもお世話になってるんだから！」
『
「ほーら遠慮しない！座った座った！」
ユキさんに肩を掴まれ空いた席に誘導された。
申し訳ない気もするが此処まで言ってくれている手前、其の言葉に甘える事にした。
数分もしない内に、ユキさんは御茶と団子を出してくれた。
其れはアタシの大好物＿＿＿＿＿みたらし団子だった。
...みたらし団子。
そう言えばアタシが倒れて寝てた時に紅丸が...。
「そう言えば
珍しい事もあるもんだと思ってさー！やっぱりAちゃんにだったのかい？」
『え、あ、嗚呼...』
「あの紅丸ちゃんが自分から甘い物買いに来るなんて、おかしいと思ったのよー！
誰に？って聞いても答えなかったからさー。
やー、愛されてるわね、Aちゃん！安心したわ！」
『あ、愛され？安心？』
「Aちゃんももう二十三でしょ？
そろそろ男の一人や二人作ったら如何かと思ってたけど、相手が紅丸ちゃんなら文句なしね！」
「お！？Aちゃん、遂に紅ちゃんとくっ付いたのか！？」
『え、否...アタシと紅丸はそんなんじゃ、』
「全く！いつまでもくっ付かねェから何年かかるかと思ったぜー！」
「何だよー、Aちゃんは紅ちゃんに興味ねェのかと思って見合いの紹介したのによォ」
「何野暮な事してんだい！
紅ちゃんはAちゃん一筋なんだし、こんな美人なAちゃんに釣り合うのは紅ちゃんしかいないわよ！」
アタシの言葉には聞く耳持たずで、ユキさん、甘味処に来ていた八百屋の平八、鮮魚店の六助、呉服屋のサキさんで盛り上がっている。
だが、問題は其処ではない。
くっ付いただの、一筋だの、其れって...
＿＿＿＿＿＿じゃァ、あの接吻は...。
高鳴り始めた鼓動から気を逸らそうと、目の前の団子を頬張った。
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
