其ノ参拾弐 ページ33
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数分考えを巡らせたが良い案が思い付く筈もなく。
毎度の如く、手刀打ちを浴びせ様とするもあっけなく紅丸に阻止され、アタシの視線は天井に。
昨夜の事があってか、直接触れる紅丸の身体に少し緊張した。
...紺炉に比べりゃ身体も小せェが、
そんな事を考えていた時、眠り姫がのそのそと動き出した。
「...もう朝か...」
『...お早う、紅丸』
結局何を話していいか分からず、取り敢えず挨拶をする。
言葉を述べてから視線を紅丸の方へ向けると、奴と視線が絡まった。
「『...』」
互いを見つめ合った儘で少しの沈黙が流れる。
沈黙を破る様に紅丸の言葉が降って来た。
「お
『は！？』
いきなり何を言い出すンだ此奴は、と思ったが、昨日口付けをしてきた男の前で無防備にしている自分が居る事に気付く。
"口吸い"、其の言葉だけで昨日の熱が
『そんなんじゃねェよ、早く腕退かせ』
きっと今のアタシの顔は
そんな情けない顔を見られたくなくて顔を逸らした。
「おい、こっち向け」
『...嫌だ』
こういう時、紅丸の勘は鋭い。
絶対に見せられない。
両腕を顔の前で交差させ必死に隠す。
紅丸はアタシの方へ近付いて来て、其の両腕を引き剥がそうと力を入れてきた。
「おいコラ、俺の言う事が聞けねェのか」
『煩ェ！大隊長命令だろうが聞けねェモンは聞けねェ！』
「お前ェなァ、いい加減にッ...」
紅丸が痺れを切らし、アタシの両腕を力付くで剥がした。
捕らえられた両腕はアタシの頭上で固定される。
もう此の表情を隠す
「...何て顔してやがる、」
『...ッ、見ンな...』
羞恥に
「Aー！！若は起きたかー！？」
紺炉の声だ。其の声でハッ、と我に返った。
紅丸を起こしに向かってから、そんなに時間が経ってやがったのか。
「チッ...仕方ねェ、今日は此の位にしといてやる」
紅丸は少し不満気に告げ、身支度を始めた。
そんな紅丸を余所に、アタシは足早に部屋を後にした。
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
