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其ノ参 ページ4

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朝起きたらご飯の支度を手伝い、双子と紅丸を起こし朝ご飯を食べる。
ご飯の後は双子の髪を結い、掃除洗濯をして買い出しや見回りに出掛ける。
これがアタシの日課である。



アタシは浅草で第七の中隊長をやらせて貰っているが、元々は浅草(このまち)の人間じゃない。
幼い頃に父を事故で、母を病で亡くした。
行く当てもなく彷徨(さまよ)っていたアタシは、紅丸と出逢い自警団に引き取られた。
当時の棟梁(とうりょう)や紺炉達は余所者(よそもの)のアタシを快く受け入れ可愛がってくれた。
能力に目覚めてからも稽古(けいこ)をつけてくれた。
紅丸はアタシの一つ下で、その当時は良く懐(なつ)いてくれていた。
あの頃の紅丸は素直で可愛かったなァ、とふと思った。





「ご馳走(っそ)さん」


「おい若！飯食ったなら、とっととヒカ達の髪やりやがれ！」


「おいA！若の後はAの番だからな！」





食事を終えた紅丸はヒカヒナの髪を梳(と)いて町の見回りに出掛ける。
まァ、見回りと言う名のただの散歩なんだが、これが奴の日課である。





皿洗いを終え、紺炉と共に洗濯物を干しに中庭へ出た。





『そういや紺炉、昨日の大隊長会議はどんなだった？』





服の水気を切り、皺(しわ)を伸ばして洗濯竿に吊るす。





「嗚呼(ああ)、此間(こないだ)いつもよりでっけェ"焔ビト"が出ただろ？
　どうやら浅草以外の場所にも複数出たらしくてなァ。
　なんでも暗躍してる伝導者っつー輩(やから)が居るらしい」


『そうだったのか。まァ何を命令されたにせよ、
　紅丸は"ウチはウチでやらせて貰う"とかなんとかって
　言ってんだろ？』





紺炉の方を向くと一瞬驚いた表情を見せたが、直ぐ柔らかい顔になった。





「ハハ、流石だなA、その通りだ。若の考えなんてお見通しか」


『まァ、こんだけ長く一緒にいりゃあな。紺炉だって分かってただろ？』





他愛もない会話をしている間に全て干し終わった。
第七の詰所は大まかに、アタシたちが暮らす家と来客用の家、そして隊員達の暮らす家の三つに分かれている。
隊員達の家の掃除から始めようかと用意をしていた時、



壁掛けの電話が鳴った。



電話に出て要件を聞いていた紺炉の表情が硬くなったのを、アタシは見逃さなかった。






電話を終えた紺炉に詰め寄った。



『どうした、紺炉、』






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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣）　駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
 ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時

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