其ノ弐拾四 ページ25
．
離すまい、と強い力でアタシを抱き締める紅丸。
『ちょ、べに...痛い、』
痛いから少し緩めてくれないか、と訴えるも紅丸はアタシを抱く手を緩めない。
...ッたく、
抵抗するのも疲れ、己の頭を紅丸の方へ寄せて体重をかけた。
「...隊員から聞いた。
お前ェ、俺を助け様と火力ぶっ飛ばして倒れたそうじゃねェか」
力加減を考えず発火能力を使った事が駄目押しになったのだろう。
だが、そもそもアタシの体力は限界だった。
あの出来事があろうとなかろうと、アタシは疲れて倒れていたに違いない。
「俺の心配なんざ要らねェんだよ。お前はもっと
背中に廻された紅丸の右手がアタシの後頭部へ伸び、己の方へ再びアタシを引き寄せる。
『...心配するよ、大事な家族なんだから』
今思えば、助けに行かなくても紅丸は大丈夫だったと思う。
しかしあの時は、なんせ身体が勝手に動いていたのだ。
「...もっと自分を大事にしろって言ってンだ」
ずっと顔を見せなかった紅丸が顔を上げ、不意に視線が絡まった。
「お前は、俺の大事な...
「「「「「A／Aさん！！！！！」」」」」
＿＿＿＿＿＿シーン...
突然の静寂が襲う。...何でだ？
『紺炉にヒカヒナ！それに第8の皆じゃねェか！』
「...えーと...もしかして、お取込み中...」
「馬鹿かシンラ！其れを言うなって...！」
「Aてめェコノヤロー！心配したんだからな！」
「ずりィぞ若！ヒカヒナにもAの事ギューさせろ！」
「...チッ」
紅丸は渋々アタシから離れ隣に座った。
...嗚呼、そういう事か。
『何だ此れか？家族なら
だってアタシ等キョウダイだぞ？取込み中でも何でもねェよ』
アタシがそう告げた時＿＿＿＿＿
一瞬、
紅丸の顔が曇った様な...
ただの勘違いか。
『それにしてもお前等大袈裟だなァ、心配してくれるのは嬉しいけどさ。
たった半日寝てただけで此の騒ぎは、』
「違うぜ、A」
紺炉が静かに告げた。
「お前は、
丸二日、目を覚まさなかったんだぜ」
．
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
