其ノ弐拾参 ページ24
．
"トントン...カンカン..."
『...ん、』
規則正しい工具の音が響く。
ゆっくり目を開けると、目の前には天井。
...あれ、アタシ...息が苦しくなって...それから＿＿＿＿＿？
そういや目の前が暗くなる前、紅丸の顔を見た気が...
うーん...はっきり思い出せねェ...。
ゆっくり身体を起こし、辺りを見渡してみた。
アタシの部屋だ。
頬の横を雫が伝い、其れによって額にタオルが当てられていたと知る。
部屋の窓から空を見ると、お天道様は空高く輝いていた。
今は昼か...という事は、アタシは昨日の晩から今の今まで寝てたって事になる。
...相当疲れてたンだなァ。
再び工具の音がして、視線を空から町の方へ向ける。
第七の野郎共が壊れた家を直していた。
一日も経ってねェのに、もうほとんど修理は終わってる。
ウチの連中はやる事が早ェなァ。
...此処から叫べば気付くだろうか？
其の程度の、軽い気持ちだった。
『おーーーい！！お前等昨日はご苦労だったなァーー！！』
"おー！！お嬢！！ご苦労さんです！！"
そんな言葉が返って来るだろう、そう思っていた。
「！！！？？お、おおおお嬢！！！？？
お前等ーー！！お嬢が起きたぞーーッッ！！！」
「本当か！！！？？若は何処だ！！急いで若呼んで来い！！！」
「紺炉中隊長ーー！！お嬢が！！お嬢が目ェ覚ましましたぜ――ッッ！！」
＿＿＿＿＿...は？、何だ此の騒ぎは...。
寝てたっていっても半日だぞ？
心配してくれるのは嬉しいが、何も其処まで慌てなくても良いんじゃ...
そう思った時だった。
【ドガッッ】
音がした方を向くと、勢い良く開けられた襖が弾け飛んでいた。
それと同時に、暖かい感覚に包まれる。
＿＿＿＿＿＿＿＿抱き締められている。
状況を理解するのに時間はかからなかった。
鼻を
背中に廻された
そして何より
心地良くて、安心できる此の感じは＿＿＿＿＿＿＿...
『べに、まる...？』
名を呼ぶとアタシを抱き締める腕に力が入った。
奴は何も言わない儘だった。
急いで来たのだろう、早い呼吸を繰り返している。
落ち着かせ様と、伸ばせる範囲で腕を上げ紅丸の髪に触れた時＿＿＿＿＿＿
「俺の居ねェ所で無茶すンじゃねェ...馬鹿野郎が」
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
