其ノ弐 ページ3
．
多少力を入れて肩を揺するも全く起きる気配はない。
眉の少しでも動けば良い方だ。
『...ハァ、』
結局こうなるのか、と
一呼吸おいて、アタシは紅丸の
手刀打ちを放った。
【ドンッッ】
＿＿＿＿＿
あっという間に視界が反転した。
天井を向いて寝ていた奴は手刀打ちをヒラリとかわすと、其の
不思議な事に、何回見てもアタシはこの反撃(？)に反応出来ない。
「...
やっと起きたか、眠り姫。
そう心の中で
今まで紺炉やヒカヒナ達にも紅丸を起こしに行って貰ったが、上手くかわされるばかりで奴は一向に起きなかった。
その
『...なんでお
ポツリと呟いた。
其れに呼応する様に紅丸が顔を上げた。
「...あ？何か言ったか？」
『何でもねェよ、ほら手ェ
紅丸の腕に自分の手を添えて軽く押す。
意識がハッキリしてきたのだろう、紅丸はだるそうに身体を起こした。
『今日の味噌汁は薩摩芋入りだぞ、早く来ねェと皆食っちまうからな〜』
身なりを整える紅丸を背に、寝室を出た。
『紅丸起きたぞー』
「おう、A。いつもすまねェな」
食卓には白飯と味噌汁、取り分けられた卵焼きが並んでいた。
ヒカヒナは既に食べており、紺炉は皆が
欠伸をしながら
「それじゃァ食べるか」
「『頂きます』」
アタシと紺炉の声に合わせて紅丸も合唱をした。
「
朝ご飯を食べて開口一番、紅丸が言った。
アタシの作った卵焼きだ。
ヒカヒナも食べられる様に砂糖を入れ甘めに仕上げている。
『要らないならアタシが食べ「要らねェとは言ってねェ」
甘いと言いながらも、自分の前に並んだ卵焼きを次々と口に運ぶ。
アタシが作った料理を、紅丸が食べ残した事は今まで一度たりともない。
文句があるならてめェで作れ、とも思うのだが残さず食べてくれる為、許してしまう自分がいるのだ。
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
