其ノ拾四 ページ15
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「今まで浅草にも"焔ビト"が出た事はあった。
だが、その日は今までの比じゃねェ程の"焔ビト"化が起きてな...
俺達は火災の場の人命救助と"焔ビト"の鎮魂をしていた。
連絡はしたが、特殊消防隊の奴等はいつまで経っても来なかった。
若は"発火限界"を迎え、立っているのがやっとな状態だったんだ。
＿＿＿＿＿其の時だ。
燃え盛る炎の渦の中に、鬼が居たんだ。
目が合った瞬間、
"此奴はヤバい"
全身でそう感じた。
若は発火限界、今此の鬼を倒すには相当な力が必要になる。
＿＿＿＿＿こんな所で若を、紅を失うワケにはいかねェ。
そう思った俺は、若を突き飛ばして鬼と闘った。
...特殊消防隊の奴等が来たのは、全て終わった後だった。
其処で俺達、浅草火消しを第七特殊消防隊として迎えると言われたんだ。
皇国の犬になる気か、って若は反対だったが、俺達が正式な隊として動いていれば此の被害を少しでも減らせたかもしれねェ、そう思った。
...カッコつけて鬼と闘った癖に、此のザマだ。
俺がこんな身体になったのは自分の
膝に置いていた両手に、力が入った。
あの時の事を、紅丸は今でも悔いている。
其れは、アタシも同じだった。
『黙って聞いてりゃ...何言ってンだよ、紺炉。
紺炉を灰病にしちまったのは...
第3世代の能力を使えながら二人に負担をかけて紅丸を発火限界まで追い込んで、
お
アタシがもっと、二人の負担を減らす事が出来て「A！！」
強い口調で名を呼ばれ、ハッと我に返る。
眉を下げ、柔らかい表情でアタシの頭に手を乗せた。
「お前は俺達の代わりに隊員の指揮や町民の避難、消火活動をしてくれただろ？
そのお陰で俺達は、現場での救助と"焔ビト"鎮魂に集中できたんだ。
俺もお前も若も、あの時出来る精一杯の事をやった。
お前が気に病む事じゃねェ、いい加減自分を責めるのは辞めろ」
...紺炉の声色は、優しかった。
頭を撫でる紺炉の手付きも、優しかった。
＿＿＿＿＿何かが込み上げて来る。
そんな感じがして目頭が熱くなり、何も言い返せなかった。
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
