其ノ伍拾四 ページ14
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『原国の古武術には"手の型"ってのがあって、アタシも紅丸も此の手の型で炎を操作してる』
そう告げながら、人差し指と中指を立てて見せた。
『"手の型"には色々あって、足の力を増す型ってのもある。
シンラには此れが良いかもしンねェ、真似してみな』
「...人差し指と親指を内側にして、っと」
『ん、其れで合ってる。
人差し指を親指の付け根に、親指を小指の付け根に持ってくる。
"虎ひしぎ"って名前の型だ』
「"虎ひしぎ"...」
『指で形を作って全身の気の流れを一点に集中させる。
其れが炎にも影響してくるのさ』
「指で気の流れを...よし！此れでやってみます！」
シンラはそう言うと、手で型を作り目を閉じた。
余計な力が抜け落ち着いて集中出来ている...後は気の流れを意識するんだ、シンラ。
すると、今までと違う形でシンラの炎が揺らぎ始めた。
「今の感じ...！もう一回！！」
良い感じだ、後はコツさえ掴めば...、と思っていた矢先だった。
『えッ、』
目の前で"ゴオッ"と爆風が起こったかと思えば、シンラが空高く飛び上がっていた。
「今の...！かなり速かったんじゃねェか...！？」
『おおー！出来たじゃねェか、シンラァ！』
「悪くねェな...」
【ドガァッ】
「黙って襲ってきたのは評価する」
隙を突いて襲ってきたアーサーの顔面に紅丸の蹴りがめり込む。
案の定アーサーは鼻血を出して倒れた。
...紅丸、お前ェもう少し加減ってモンをよォ、。
救済に入ろうかとも思ったが、実践の訓練という事ならばアーサーの為にならない。
心苦しい所ではあるが、もう少し見守る事にした。
「A、後は俺が相手をする。てめェは休んでろ。
シンラ！今のを使って俺に仕掛けてみろ！」
シンラが実践の練習に戻ったのを見届けて、アタシは紺炉の待つ縁側へと戻った。
"御疲れさん"、と紺炉が出してくれた麦茶をグイッと飲み干す。
シンラとアーサーを同時に相手する紅丸。
圧倒的強さの相手に、ボロボロになりながら戦いを挑む二人。
其の光景が幼い頃の自分と重なって見えた。
あの頃はアタシも紅丸も、先代にのされてたなァ...。
『紅丸の奴、最初は嫌がってたけど楽しそうにやってるな』
「教えがいのある奴等が来たからな。若もきっと、はりきってんだろ」
『ハハ、違いねェ』
そして、稽古は日が暮れるまで続いた。
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國深(プロフ) - うに太郎さん» 完結ではないんですが、一度占ツクから離れており最近覗きに戻ってきた感じです(汗) すぐすぐの更新はできないと思うのですが、きちんと完結できればと思っております。 (3月31日 21時) (
レス) id: 048d167eb0 (このIDを非表示/違反報告)
うに太郎(プロフ) - これで完結でしょうか…😢 (2023年2月26日 14時) (レス) @page17 id: 717bee0437 (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめるぱふぇ - "てめェは黙って俺に愛されてりゃ良い" グッハァッ(/ω＼) かっこ良し男かよ (2021年7月30日 9時) (レス) id: c7f2f9aa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：國深 | 作成日時：2021年1月3日 22時
