其ノ伍拾壱／ ページ11
．〚side_紅丸〛
実戦の訓練だとか言ってやがったが...丁度良い。
どの程度のモンか、試してやる。
そう思い、Aを制止して暖簾を潜り始めたシンラ達の元へ向かった。
「御免下さい、第8のシンラです」
...後ろがガラ空きじゃねェか。
隣のアーサーも、距離を詰める俺に全く気付いていない。
詰所の近くに転がっていた棒切れを拾い上げ、シンラの首を狙った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿此奴は、骨が折れそうだなァ。
【ドッ】
「！！...し、新門大隊長...」
「実戦だと死んでるぞ」
シンラの背後を取り、首筋へ棒切れを突き付けて告げた。
...まァ、経験が少ねェンじゃこんなモンか。
「てめェ等、俺に稽古つけて貰いに来てンだろ。
気ィ抜いてンじゃねェ」
「マヌケ」
俺に一本取られたシンラを見てアーサーが言った。
...お前ェも隙だらけだぞ。
【ゴッ】
「気を抜くなって言っただろ」
「マヌケ」
アーサーの顔面に俺の投げた棒切れが直撃し、シンラが言い返した。
後ろを振り返ると、二人は其れに反応して身構えた。
...まァでも、やる気はあるみてェだな。
「ヘッ」
「「！？」」
「＿＿＿＿＿＿＿あ、
...お前ェ等、少し此処で待ってろ」
そういえば、と思い出し、緊張感丸出しの二人の間を抜け表へ出た。
「待たせたな、もう良いぞ」
声を掛けながら外で待っていたAの傍へ行き、荷物を持った。
『何やってたンだよ、紅丸』
「...あー、あれだ。浅草式の歓迎だ」
『ハァ？何だよ、其れ』
フッ、と笑みを溢したAを見て、柄にもなく胸が高鳴るのを感じた。
もっと良く其の顔を見ようと、揺れるAの髪を耳に掛けてやった。
不意に触れられ驚いた様に此方を見たAの頬は、ほんのりと紅かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿早く、お前の全部を俺のモンに...
「...ハッ、何顔赤くしてやがる」
"稽古つけてやるんだろ！？"と、急かされ渋々詰所の中へ戻った。
．
＝
[補足]
"此奴は骨が折れそうだ"＿＿は、本当に骨が折れそうなのではなく、
例えで "此奴等の稽古は大変そうだな" という意味。
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國深(プロフ) - うに太郎さん» 完結ではないんですが、一度占ツクから離れており最近覗きに戻ってきた感じです(汗) すぐすぐの更新はできないと思うのですが、きちんと完結できればと思っております。 (3月31日 21時) (
レス) id: 048d167eb0 (このIDを非表示/違反報告)
うに太郎(プロフ) - これで完結でしょうか…😢 (2023年2月26日 14時) (レス) @page17 id: 717bee0437 (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめるぱふぇ - "てめェは黙って俺に愛されてりゃ良い" グッハァッ(/ω＼) かっこ良し男かよ (2021年7月30日 9時) (レス) id: c7f2f9aa97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：國深 | 作成日時：2021年1月3日 22時
