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[伍] ページ6






 





__________あれ、

...アタシ、いつの間に寝て...





辺りを見渡すと、自分が借りた部屋でない事に気付いた。

壁掛けの時計の針は、6時を指していた。

一体此処は何処だ、と視線を下げた時




 




 




 




 





『...え、




 




 




 




 




 
 ええええええええええ!!!!!????』




 





は!?な、何で!?何で新門大隊長が隣に!?





大声で叫んだ所為か、隣に眠っていた人物が声を上げた。




 





「うるせェ、」



『な、何で新門大隊長が...!?』




 





理解不能な此の現状に慌てふためくアタシと対照的に、
新門大隊長は落ち着いていた。




 





「...お前ェ、何にも覚えてねェンだな。
 てめェが横で勝手に寝ちまいやがるから
 俺の部屋に運んで寝かせた。

 其れだけだ」



『ご、ご迷惑お掛けして、申し訳ありませんでした!』




 





其の場に両手をついて頭を下げた。

調査にと出向いて来ていながら
相手の大隊長に迷惑を掛けるという失態に、
情けなくて堪らなかった。

そんな己の心中を察してか、
新門大隊長の声色は驚く程に優しかった。




 





「迷惑だなンて思っちゃいねェよ。

 顔上げろ」




 





大隊長にそう言われゆっくり顔を上げると、
首を伸ばせば唇が触れそうな位の距離に相手の顔があった。

慌てていた為に認識出来ていなかったが、
思ったより二人の距離が近かったのだと気付いた。




 





「...そういやお前ェ、名は?」




 





思い出した様に新門大隊長が告げた。

至近距離で見詰められ、目が離せなかった。




 





『...緋月です、瀬那 緋月』




 





__________グイッ




 





名前を告げて数秒、アタシは新門大隊長に抱き寄せられていた。

余りに突然で、状況を理解するより先に大隊長が耳元で告げた。




 





「...緋月、




 



 





 俺ァ言ったよな?

 紅か紅丸以外認めねェって。




 




 




 




 次、大隊長なんて呼びやがったら




 




 




 




 




 
 其の口塞ぐからな」




 





直ぐ傍にあった気配が遠のくのを感じて其方へと目をやれば、
薄く形の良い唇がゆっくりと弧を描いていった。




 





...口を?塞ぐ?


其れって...




 





!?




 





困惑するアタシを残し、新門大隊長は部屋を出ていった。


 





_

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理音(プロフ) - ありがとうございます!︎^ ^ (2月27日 0時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
Riku(プロフ) - 理音さん» コメントありがとうございます!最近またこちらに顔を出し始めたので余裕ができたら更新するかもです◎ (2月23日 21時) (レス) @page8 id: 048d167eb0 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年4月19日 19時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:國深 | 作成日時:2021年1月25日 23時

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