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[四]/ ページ5

〚SIDE_紅丸〛





 





__________面倒(めんど)くせェ、。


紺炉に如何してもと言われ来てやったが...見せモンじゃねェぞ。





会議なんぞ滅多に出ない所為か、他方から視線を感じた。

視線を感じる方へ目をやると、黒髪のガキと目が合った。




 





「何が面白い、クソガキ」




 





鬱憤(うっぷん)を晴らすかの様に、
目に付いたガキに言葉を放った。

喧嘩っ早い俺の性格を知ってか、紺炉が止めに入る。

別に噛みつきゃしねェよ、と紺炉に目配せして
椅子に腰掛け視線を戻すと一人の女が目に留まった。

皇王が現れ他の連中が(こうべ)を垂れる中、
俺は無意識に其の女を見ていたらしく、後で紺炉に茶化された。




 





「若が他人に興味を持つなんてなァ。
 あれ程の別嬪(べっぴん)、浅草でもそうは居ねェ。
 惚れちまったか?」



「あ?そんなンじゃねェよ。
 左右で目の色が違ェから、珍しかっただけだ」




 





−−−−−−−−−−




 





数日後、中央で見たあの女がやって来た。

浅草には調査で来たと言っていたが
町の修繕や隊士の世話と駆け回る姿を見て、
良く働く女だと感じた。

其れと同時に、
知らず知らずの内に彼奴を目で追っていた事に気付いた。





俺ァまた、無意識に彼奴を見てたのか...。





其の日の晩、月見酒でも一杯やろうかと
縁側へ足を運ぶとあの女が居た。

気付けば女を酒に誘い、其の場に引き留めていた。

何でもない会話だったが、
居心地が良い__________そう感じていた。

不意に視線が絡み、月明かりに照らされて女の顔が良く見えた。

夜風になびいた髪を耳に掛けてやると、女の頬が赤く染まった。




 





"惚れちまったか?"




 





紺炉の言葉が脳裏をよぎる。

薄く開いた唇は艶っぽく、

"__________奪っちまいてェ"

そう思った時、名前を呼ばれて我に返った。





名を呼ばれなけりゃ、俺は今頃...。





言葉を交わしながら酒を飲み進めていた時、
気配が近くなり其方を見やると、女は意識を手放していた。

此の儘放置するワケにもいかず、
女を抱えて己の寝室に向かい布団に寝かせた。

深い仲でもない男の前で眠る姿を見て、
其の警戒心の無さに呆れそうになりながら軽く頭を撫でた。




 





「...無防備な女」




 





吸い寄せられる様に薄く形の良い唇に、己の其れを重ねていた。




 





_

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理音(プロフ) - ありがとうございます!︎^ ^ (2月27日 0時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
Riku(プロフ) - 理音さん» コメントありがとうございます!最近またこちらに顔を出し始めたので余裕ができたら更新するかもです◎ (2月23日 21時) (レス) @page8 id: 048d167eb0 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年4月19日 19時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:國深 | 作成日時:2021年1月25日 23時

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