67 手作りケーキ ページ23
．
翌週。私の誕生日。前世の命日でもある日。
かっちゃんと会えば、小さなケーキを持っていた。
桜をモチーフにした桃色ケーキ。
「誕生日おめでとう、A」
「え！？ ありがとう！！ 可愛い！」
「今すぐここで食え」
「今ここで！？」
無茶振りだけれども、写真を撮ってから言われた通り食べる。
「美味いか？」
「うん、美味しい！」
「当たり前だろ、俺が作ったんだからな」
「かっちゃんの手作り！？」
思わず吹き出しそうになったけれど、何とか堪えた。
かっちゃんは得意げだ。
「申し訳ないな……私はかっちゃんの誕生日、おめでとうしか言ってないのに。そして女子としての威厳が」
「威厳の使い方間違ってるぞ。俺が祝うために作りたかったんだ。ありがたく受け取れよ」
「本当にありがとう、かっちゃん」
またお礼を言うと、かっちゃんは満足気にニッと笑う。
「ふふ、思い出すなぁ。かっちゃん、私の誕生日のために花を取ってきてくれたよね。デクくんと争いながら」
「捨ててねえよな、その花」
「全部押し花にしてアルバムにあるってば」
もぐもぐと食べながら答えた。美味しい。
何歳の誕生日に誰に貰ったかまで記してある押し花のアルバムがある。ケーキの写真も現像して貼り付けよう。
朝からお腹いっぱいで登校をすると。
「誕生日おめでとう！ Aちゃん！」
Ａ組の皆が、出迎えてくれた。
「ありがとう皆！！ ハグさせて！！」
「野郎とはだめだ」
癒しのＡ組をハグしようとしたら、かっちゃんに男子だけはだめだと止める。
男子ともハグさせて。若干二名がかなり落ち込んでる。
可愛い子揃いの女子で満足しよう。
「あ、あの。Aちゃん。僕からプレゼント」
デクくんは頬を赤らめつつも、差し出してくれた。それは一輪の赤い薔薇。花屋で買ってきてくれたのだろう。
間入れずかっちゃんが爆破しようとするものだから、サッと避けて防いだ。16歳のアルバムに収めるもん。
「ありがとう、デクくん。ハグしよう」
「野郎とはだめだっつーたろうが！」
感激のあまり腕を広げたけれど、阻止された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 753人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
BENI(プロフ) - 人間さん» 面白い、ありがとうございます！続き更新しました！これからも更新頑張りますね！ (2017年8月9日 7時) (
レス) id: df61bdf79c (このIDを非表示/違反報告)
人間 - 面白いです！続きが気になって仕方がありません！更新頑張ってください!! (2017年8月9日 0時) (携帯から) (レス) id: 4c296c8310 (このIDを非表示/違反報告)
BENI(プロフ) - となりさん» いつもドキドキと愛読ありがとうございます！ マイクくんとの絡みですか！ どうでしょう、難しいかもしれませんが考えてみます！ (2017年8月8日 9時) (レス) id: df61bdf79c (このIDを非表示/違反報告)
となり(プロフ) - いつもドキドキしながら愛読させていただいてます！！マイク先生との絡みをリクエストしてもいいですか…？！ほんとこの作品素敵です涙 (2017年8月7日 19時) (レス) id: 8a86bba9fd (このIDを非表示/違反報告)
BENI(プロフ) - 魔都さん» ありがとうございます！直しておきました！ (2017年7月27日 7時) (レス) id: df61bdf79c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：BENI | 作成日時：2017年7月15日 10時
