【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ31)

今日:18 hit、昨日:2 hit、合計:141,384 hit

30 ページ31

、

「さぁ、どうした！？」
「脳無さえいれば！！奴なら！！何も感じず立ち向かえるのに……！」

　手の敵は、ガリガリと掻きむしり続ける。そんな彼を黒霧と呼ばれた靄の敵が「死柄木弔」と呼んだのが聞こえた。

「落ち着いて下さない。よく見れば脳無に受けたダメージは確実に表れている」
「！」

　確かにオールマイト先生はよく見えないけれども、ボロボロだ。
　黒霧に宥められて、死柄木は挑むことにしたらしい。何かがおかしい。

「主犯格はオールマイト、何とかしてくれる！」
「俺たちは他の連中を助けに……緑谷？紅羽？」

　私は呼ばれても反応しなかった。デクくんがブツブツ言っているが聞き取れない。
　デクくんは目にも止まらない速さで、飛び出していた。

「オールマイトから離れろ！！！」

　黒霧に殴りかかろうとしたけれども。

「二度目はありませんよ！！」

　二度目も弱点を押さえられないように、死柄木の手が黒い靄から伸びた。触れていけないと直感する。私のスピードでは間に合わない。
　だけどもそこで、ズドッと弾丸が命中する。

「！！！！」
「来たか！！」

　振り返れば、出入口。階段の上にゾロリと並ぶように現れるヒーローたちがいた。そして。

「1ーAクラス委員長飯田天哉！！ただいま戻りました！！！」

　飯田くんの姿もあった。彼がオールマイト先生を、他の先生方を呼びに行ってくれたのだとわかった。
　ヒーローたちの登場に死柄木たちはようやく退散することにしたらしい。が、13号先生が”ブラックホール”で阻止しようとした。でも敵の方が早い。

「今度は殺すぞ。平和の象徴、オールマイト」

　ズズッと黒い靄は死柄木を呑み込んで、そして消えていく。
　今度こそ、危険は消え去った。なのに安堵は覚えなかった。

「教師陣か……。ここにこれだけ集まるってことは、学校全体に仕掛けて来たってことじゃなさそうだ」

　轟くんが見解に、納得をする。襲撃されたのは、このUSJのみ。被害はここだけ。

「デクくん！」
「緑谷ぁ！！大丈夫か！？」

　私と切島くんは倒れたデクくんに駆け寄ろうとする。私の方が飛んでいるので早く着くと思ったけれども、白い壁が立ちはだかった。危うく衝突するところだ。