【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ29)

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「別にそれだけとは言ってないだろう。これは”超再生”だな」
「！？」
「脳無はおまえの100％にも耐えられるよう改造された、超高性能サンドバック人間さ」

　崩れた身体の部分はたちまち再生していく。それを待たずに脳無から仕掛けてくる。狙いは指示された通り、爆豪くん。
　ブオ！！と強風が吹き荒れて、皆がその場にとどまるのに精一杯だった。

「かっちゃん！！！」

　デクくんが叫んだ。しかし彼は私の目の前にいた。

「かっちゃん！！？避っ避けたの！？すごい……！」
「違ぇよ黙れカス」

　速くて見えなかったが、オールマイト先生を探して見れば一目瞭然。オールマイト先生が爆豪くんを庇ったのだ。

「加減を知らんのか……」
「仲間を救ける為さ。しかたないだろ？さっきだってホラそこの……あーー…地味なやつ。あいつが俺に思いっ切り殴りかかろうとしたぜ？他が為に振るう暴力は美談になるんだ、そうだろ？ヒーロー？」

　手の男は語り始めた。

「俺はなオールマイト！怒ってるんだ！同じ暴力があヒーローと敵でカテゴライズされ、善し悪しが決まる、この世の中に！！何が平和の象徴！！所詮抑圧の為の暴力装置だおまえは！暴力は暴力しか生まないのだと、おまえを殺すことで世に知らしめるのさ！」

　めちゃくちゃだ。それはオールマイト先生も同意した。

「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ、嘘吐きめ」
「バレるの早……」

　顔にも手がついて口元は見えないけれど、眼はニタっと笑ったのが見えた。

「3対6だ」
「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた……！！」
「とんでもねぇ奴らだが俺らがオールマイトのサポートすりゃ……撃退出来る！」
「手の人を黙らせれば脳の奴も動かないかも！」

　手の男が指示を下さない限り動かない。私の狙いは手の敵を見据えて、靄は他に任せようとした。しかし。

「ダメだ！！！逃げなさい！！」

　オールマイト先生がそう制止した。

「……さっきのは俺がサポート入らなけりゃやばかったでしょう」
「オールマイト、血……それに時間だってないはずじゃ……ぁ……」
「それはそれだ、轟少年！！ありがとな！！」

　時間、という言葉が引っかかったけれど、デクくんからオールマイト先生に目を戻す。グッと拳を握って見せた。

「しかし大丈夫！！プロの本気を見てなさい！！」

　プロヒーローの本気。それを見ていなさいと言われたものの。