【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ27)

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「いい動きをするなあ……スマッシュって……オールマイトのフォロワーかい？まぁいいや君」

　デクくんが脳ミソ敵に掴まれる。あの怪力がデクくんに向けられると、一瞬にして理解した。
　梅雨ちゃんがそばの峰田くんと、舌でデクくんを捕まえて、逃げようとする。私もデクくんを助けようと噴射して飛ぶも、間に合わない。
　間に合わない。間に合わない。
　その時だ。
　バアンと爆音が響いた。

「もう大丈夫。私が来た」

　恐らく全員が、注目したに違いない。その平和の象徴に。

「オールマイトォォ！！！！！」

　救いが来た。もう大丈夫なのだという安堵が広がる。正確にはまだなのに、その言葉を素直に受け止められた。それは彼が、平和の象徴だからこそだろう。
　私は飛び込むのを止めて、相澤先生の安否を確認した。倒れた相澤先生は、目も当てられない怪我を負っていたものの息はある。
「先生っ……先生っ……」と呼びかけるも反応はない。

「相澤くん、すまない」
「！オールマイト先生っ」

　残りの敵を倒したオールマイトが、瞬時に横へ現れた。そして慎重に抱え上げる。かと思えば、瞬きの間にデクくん、梅雨ちゃん、峰田くんを奪還して、戻ってきた。

「皆入口へ。相澤くんを頼んだ。意識がない、早く！！」
「オールマイト、だめです！！あの脳ミソ敵！！ワン……っ僕の腕が折れないくらいの力だけど、ビクともしなかった！！きっとあいつ……」
「緑谷少年」

　オールマイト先生を殺す為の敵だと教えようとしたのか、デクくんが言いかける。それを遮るように呼んだオールマイトは、ピースサインを目元に掲げた。

「大丈夫！」

　そう告げて、ダッと敵に向かっていく。デクくんの言う通りオールマイト先生の攻撃が効かない。それでオールマイト先生は脳ミソ敵を捕まえて、バックドロップを決めた。
　ズドっと一際大きな爆音が轟く。
　私たちは言われた通り、相澤先生を運んで入口に向かう。とはいえ運ぶのはデクくんが背負って、峰田くんが足を持つ形。依然、相澤先生の意識は戻らない。
　オールマイト先生への歓声が飛ぶ中、気がつく。
　バックドロップを決めたかに思えたけれど、黒い靄があって脳無と呼ばれた敵はコンクリートに突き刺さることなく、オールマイト先生の背中にいた。脳無の指が、オールマイト先生を掴んでいる。

「相澤先生担ぐの代わって……！！」

　デクくんが梅雨ちゃんに言って相澤先生を任せたかと思えば。