【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ25)

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それに上鳴くんは声を荒げて言い返す。

「電気を纏うだけだ俺は！放電出来るけど操れるわけじゃねー！三人とも巻き込んじまうの！あれだ！轟と一緒よ！つーか俺も武器くれっ」

　つまりはバリバリっと出来ることは出来る。それを聞いて、私は百ちゃんと目を合わせた。考えたことは同じらしい。頷き合って、私は戦いに集中する。敵の攻撃をいなして、足を蹴り上げて、仕上げに地面に叩き潰した。

「救けを呼ぼうにもこいつ今ジャミングヤベェしさ！いいか！？三人とも！今俺は頼りになんねー！頼りにしてるぜ！！」

　上鳴くんの耳につけている特製電子変換無線もダメらしい。救けは呼べないでいる。男なのになんとも情けない発言に苦笑を漏らしていると、響香ちゃんの方はカチンときたらしい。

「男のくせにウダウダと……じゃあさ、人間スタンガン！！」
「マジかバカ！！！」

　トッと蹴り飛ばして響香ちゃんは上鳴くんを差し向けた。カバーしに行こうと思ったけれども、しかし、敵とぶつかった上鳴くんの個性は通用する。敵は感電して悲鳴を上げた。

「あ、通用するわコレ、俺強ぇ！！三人とも！！俺を頼れ！！」
「軽いなオイ……」

　グッと親指を立てる上鳴くん。それが彼なのだろう。
　緊迫の雰囲気の中、ちょっと緩みそうになった。

「ふざけてんなよガキィ！！！」

　一人の敵が岩を使って攻撃しようとした。
　だが、ドックン。音が岩を砕いて、その敵も感電した。
　響香ちゃんの”個性”、イヤホンジャック。耳朶のプラグを挿すことで自身の心音を爆音のボリュームにして、砕いたのだ。他にも敵の耳に爆音が届く。
　もう一人、飛び込んだ敵は百ちゃんの創造した網で動きを封じた。

「お二人とも真剣に！！！」
「ごめん。実際良い案だと思ったんだけど……にしても上鳴あんた……コスチュームの要望に指向性の補助くらい書いとけっつーの！！」
「出来た！！」
「へ！？」

　百ちゃんが「出来た」と聞き、私も急いだ。
　敵のど真ん中にまで深入りしたけれど、噴射を利用して回転して炎を撒き散らす。敵たちの悲鳴が上がる。

「時間がかかりますの。大きなものは創造るのは」

　ブワサァ、と百ちゃんの背中から大きなシートが飛び出す。先に百ちゃんと響香ちゃんがそのシートの中に入る。
「盾のつもりか？」と敵は意図に気付かない。