【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ24)

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「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが。何か変更あったのでしょうか？まぁ……それとは関係なく……私の役目はこれ」

　敵連合と名乗る黒い靄が何かを仕掛けると身構えた。
　しかし先に動いたのは、切島くんと爆豪くん。黒い靄に攻撃を仕掛けた。

「その前に俺たちにやられることは考えなかったか！？」

　爆破と硬化の腕を受けたはずの黒い靄は、ユラっと揺れるだけ。ダメージは与えられていない。

「危ない危ない……。そう、生徒いえど優秀な金の卵」
「ダメだ、どきなさい二人とも！」

　爆豪くんと切島くんに退くように言ったが遅い。黒い靄が襲いかかってきた。咄嗟にそばにした百ちゃんの腕を掴んだ。

「散らして、嬲り、殺す」
「皆！！」

　声はプツリと切れて聞こえなくなる。
　靄が晴れれば、場所は違っていた。あの靄は”ワープ”系の個性の持ち主だったらしい。場所は山岳。周りは敵だらけ。
　一緒に移動したのは、百ちゃんと響香ちゃんと上鳴くんだった。

「Aさん！」
「あいよ！」

素早く百ちゃんが創造したのは、警棒。それを受け取って、私は敵の一人を叩き潰した。そして翼を広げる。
　響香ちゃんも対応が早く、百ちゃんから短剣を受け取って構えた。上鳴くんだけが狼狽える。
　私は翼を叩き付けて敵を吹っ飛ばす。衣服に火がついたその敵は、慌てふためいて地面に転がる。
　人を殺せる”個性”。13号先生の言葉が過った。緊張が走るけれど、大丈夫と言い聞かせて戦い続ける。

「うぅわ！！コエー！！マジ！！今見えた！！三途見えたマジ！！何なんだよこいつらは！！どうなってんだよォ！！」
「そういうの後にしよ」
「今はこの数をどう切り抜けるかですわ」

　上鳴くんとは打って変わって、私たち女子は冷静だった。

「大丈夫！チンピラ程度の敵だよ！」
「しかしこの数では……！」

　上鳴くんを宥めようとしたけれど、問題は数だと百ちゃんが言ってしまう。確かに数が多すぎる、と思いながら一人また一人と叩き潰した。

「おい誰か羽の奴、仕留めろ！」

　大立ち回りをする私が狙われるが、特段強い敵はいなく、噴射を利用して叩き付けた警棒で沈める。

「Aちゃん頼りになる！」
「つーかあんた電気男じゃん。バリバリっとやっちゃってよ」

　私を褒める上鳴くんにニッと笑って見せると、響香ちゃんが上鳴の”個性”を頼ろうとした。