【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ21)

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「Aちゃんはとても人気になりそうだけれど、爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

　梅雨ちゃんは思ったことを素直に言った。

「んだとコラ出すわ！！」
「ホラ」

　キレた爆豪くんは、席を立った。危ない。

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

　上鳴くんも便乗するように言い放つ。

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ！！」

「低俗な会話ですこと！」と百ちゃん。

「でもこういうの好きだ私」
「私も好きーあはは」

　お茶子ちゃんと一緒になって笑う。

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」

　相澤先生の注意にすぐさまビシッと返事をして、雑談をやめた。隣を見てみれば、あの賑わいに参加していなかった轟くんはまだ目を閉じている。寝てしまったのだろうか。
　ぽん、と優しく肩を叩く。

「着くって」
「ん、ああ……サンキュ」

　左右違う瞳が私を映したあと、前を向いた。
　辿り着いた先はーー。

「すっげーーーー！！ USJかよ！！？」

　テーマパークのようなアトラクションが見える施設の中。アトラクションに見えるのは、あらゆる事故や災害を想定した演習場。水難事故、土砂災害、火事。

「その名も……ウソ(U)の災害(S)や事故(J)ルーム！！」

　USJだった。出迎えてくれたのは、宇宙服コスチュームのスペースヒーロー13号。大盛り上がり。特にヒーローオタクのデクくんと、13号が好きなお茶子ちゃん。
　けれども、いると事前に聞いていたオールマイト先生がいない。姿を探したけれども、相澤先生は「始めるか」と言った。

「えー始める前に、お小言を一つ二つ、三つ、四つ……」

　増える13号先生。

「皆さん、ご存知だとは思いますが、僕の”個性”は”ブラックホール”。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その”個性”でどんな災害からも人を救いあげるんですよね」

　デクくんの隣で、お茶子ちゃんは激しく頭を振って頷く。

「しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう”個性”がいるでしょう。個人社会は”個性”の使用を資格制にし厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる、”いきすぎた個性”を個々が持っていることを忘れないで下さい」

　皆が黙って13号先生の話に耳を傾けた。