【ヒロアカ】フェニー【轟焦凍】 (ページ16)

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　その日、雄英高校の前はマスコミで賑わっていた。
　邪魔だなと思いながら足早にかわして登校する。

「おはよう、轟くん」
「……おはよう」

　白と赤の髪を見つけたから、駆け寄って背中を軽く叩く。顔だけ振り返った轟くんは、挨拶を返してくれた。
　にこ、と笑って見せてから先に教室に入る。それから皆と朝の挨拶を交わした。

「爆豪くん、おはよう」
「……」

　席につけば、爆豪くんが来た。挨拶をしたのだけれども、思いっきり睨まれる。挨拶は返ってくることなく、どかっと前の椅子に座った。挨拶くらい返してくれてもいいのに、別にいいけど。
　担任の相澤先生が来るなり、ピタリと教室は静まり返った。時間は有限。

「昨日の戦闘訓練、お疲れ。Vと成績、見させてもらった」
「！！」

　相澤先生も見たらしい。負けちゃったんだよね、引きずっちゃう。

「爆豪。おまえもうガキみてぇなマネするな。能力あるんだから」
「……わかってる」

　相澤先生の注意に、爆豪くんは静かに応えた。私はその背中を見つめる。

「で。緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か」

　後ろでビクッと震えたのがわかった。後ろの席はデクくんだ。

「”個性”の制御……いつまでも「出来ないから仕方ない」じゃ通させねぇぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。それさえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷」
「っはい！」

　デクくんの力強い返事を聞いて、自然と口が綻ぶ。
　頑張れデクくん。

「さてHPの本題だ……急で悪いが今日は君らに……」
「！！」

　また臨時テストか！？と空気がざわついた瞬間。

「学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たー！！！」

　ざわついた一同はホッとした。すぐさま手が上がる。

「委員長！！やりたいですソレ俺！！」
「ウチもやりたいス」
「ハイ！やりたいです！」

　トップヒーローを目指すからには、集団を導くというトップヒーローの素地を鍛えられる役。当然皆がやりたがった。

「静粛にしたまえ！！」

　そこで飯田くんが叫んだ。挙手の嵐が止む。

「”多”をけん引する責任重大な仕事だぞ……！「やりたい者」がやれるモノではないだろう！！周囲から信頼あってこそ務まる聖務……！民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのなら……」

　皆が飯田くんに注目する中。