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「真島さん…」
彼は真島吾朗。この店の昔からの常連客であり、先程終えたばかりの祖母の葬式にも来てくれていた。
その筋の人というのは知っているが、可愛がってくれたお客さんの1人であり、怖いと思ったことは無かった。
「家に帰るのも、なんだか寂しくて。でも、他に行くところも無いのでここに…。あ、先程は式に来て下さり、本当にありがとうございました。よろしければ、少し、寄っていきませんか？」
席を立ち、深々とお辞儀をし、中に入るよう即すと、「せやな。折角やし、寄らせてもらおか」と言い、身長より少し小さい入口をくぐってカウンター席に座った。
「お酒もおつまみも、いつものしかありません…どうぞ。」
彼がいつも飲む酒と簡単なつまみをを出すと、真島は骨壷に優しく手を乗せた。
「婆さんの分の酒も頼むわ……最後の晩酌といこうやないか」
その言葉に思わず涙が出そうになるが、グッとこらえ、祖母が好きだった焼酎を、いつも使っていたぐい呑に注ぎ骨壷の前に置いた。
私も、いつもの烏龍茶をグラスに注いだ。
「献杯」
.
彼も私もグラスの中の液体を一気に喉へと流し込んだ。この孤独感と悲しみを、一緒に飲み込むことができたらと思った。
未だ並々と注いである祖母のぐい呑が嫌に寂しく感じる。
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猫駅@駅伝&一色LOVE(プロフ) - とっても面白いです。こんなに面白いのに更新停止なのがもったいないです。頑張ってください。 (2017年3月21日 10時) (
レス) id: 052027a015 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ - 続き気になるぅぅうう！！更新頑張ってください！ (2017年2月27日 23時) (レス) id: e0a57e2f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅子 | 作成日時：2016年6月20日 20時
