【 雨音 】

49. ページ49

宮近 said




「来てくれるかな〜」


中「来るでしょ多分」


「多分かよ笑」



放課後、目配せなんかしてみたりしたけど

効果あったかな？なんて





「ほんとどうしちゃったんだろAちゃん」



中「俺はだいたい予想ついてるけど、」

なんて海人が柵に肘付きながら言うから

「嘘、ほんと？」

なんて食い気味に聞き返してしまった。




「やっぱり俺なんかやらかした？

どうしよ、俺めっちゃ嫌われてるじゃん…。」


中「はぁ。ほんと、モテる男は辛いね〜」


「え？どーゆーこと」


中「どうせ上野さんとかに俺らと喋るな〜とか

脅されてんじゃない？」


「え、えぇぇぇぇ！俺、の、せいじゃん」


中「んー別に宮近のせいではないと思うけど、

で？これからどーする？夏祭り近いぜ」



どうしよう、俺のせいって…

こうして喋らなかった期間にまたAちゃんが

痛い目にあってたりしたら、

俺、最低じゃん。






中「おーい。宮近？」

「ねぇ、嫌がらせとか受けてないよね？」

中「どうだろう」

「どーしよ、」




2人の間に風が流れる音がする






「Aちゃん、遅いね。」

中「うん」

「やっぱ来ないのかな」

中「今頃呼び出されてたりして」

「えっ？やばいじゃん、どうしよ、どうしよ海人」

中「ちょっと落ち着いて」





落ち着けるわけがない、



頭を抱えながら柵に手を掛け

目線を校舎横にあるプールにやる




「えっ」


中「どうした？」

「あれAちゃん？」

中「うそ、やばいじゃん」




そこには

プールサイドからプールへと無理やりに

手を引かれているAちゃんが見えた






「俺、行かなきゃっ」


中「ちょっ、俺も！」





守れてないじゃん

情けないし、また苦しい思いさせてるじゃん


Aちゃんごめんね、

今行くから、ちゃんと謝らせて欲しいっ！！！









プールまであとちょっと、

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