【雨音】 (ページ43)

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43. ページ43

You said

「警察か、」

自分でも警察に相談することが1番手っ取り早いと

わかっている。

きっと相談しに行けば父さんは捕まるだろう。

でも、父さんがこうなったのは私のせいだ、とか

昔の父さんを諦めきれない。なんて心のどこかで

思っている自分がいた。

それより、

宮近くんが、いかにもいじめ集団のトップ！

みたいな女の子に呼び出されて行った

「あれ、なんか寂しい」

なんて思わず口にしていた

中「なにが寂しいのー？」

「えっ、うわっびっくりした」

中村くんが後ろから覗きこむように私に言う

中「そういや、海斗は？トイレ？」

「いや、あの」

中「ん？」

「女の子とどっかいっちゃった」

中「はぁーーーー？」

ひどく驚く中村くんに私も驚く

中村くんってリアクションが本当に大きいの

中「あっ、ごめんごめん

それで、海斗が居なくて寂しいと？」

「えっ？あっ、違うくて、」

中「Aちゃん。海斗のこと好きでしょ」

急に中村くんが真面目に言う

「好き…？」

中「え、違うの？」

「わかんない」

中「えー絶対好きだよー」

中村くんはそう言うけど、実際どうなんだろう

この気持ちが好きっていうやつ？わかんない、

中「今頃海斗告られてたりして笑」

「えっ、！？」

宮近くんがあの子に告られる？

付き合っちゃうのかな…

中「ほら、やっぱ好きじゃん。

その焦り具合。好きです！って言ってるようなもんだよ！笑」

そう言い私を見ながらケラケラ笑う

「好きなのかな、」

宮「あ、海人おはよう」

中「あ、なんだもう帰ってきたの？」

宮「なんだとはなんだよ」

中「告られたんでしょ？返事は？」

宮「話早すぎ」

2人が仲良く話すのを黙って聞いている私

告られた返事が正直気になってしかたない

宮「断ったよ笑」

中「くぅ～モテる男は辛いね」

宮「うっせぇよ」

なぜか安心した自分がいた

「やっぱり好きなのかな…」

宮「なんか言った？」

「あ、ううん。なんでもない」

先「お前らー座れー」

タイミングよく先生が来て、

宮近くんたちを誤魔化しきれた。

だけど、自分の気持ちは誤魔化しきれなさそうだ。