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宮近 said
「おはよ〜」
俺は登校するなりクラスメイトと挨拶を交わしながらAちゃんを探していた。
昨日はちゃんと家に帰ったのだろうか。
無事なのか、
今日もちゃんと学校に来るのだろうか。
席に着くなり横目でAちゃんの席を見るが姿は見えない。俺は不安になった。
「生きてる、よな…?」
名前しか知らない。ワケありだということは察したけれど…それがどんなに重く辛いものかは俺にはわからない。
だけど、昨日の事を思い出すと怖かったんだ。
急に走ってどこかに行ってしまったAちゃんを俺は追いかけるべきだったんじゃないかなとか考えれば考えるほど気になって、気になって…。
でも、素直に思った。
Aちゃんと喋りたい。
友達になりたい。って
俺がAちゃんを助けてあげたい。
中「ねー、海斗?どうしたの」
中「おーい。」
「えっなに あ、ごめんごめん」
「なんもないよ」
俺があまりにも不安げな顔をしていたからか知らないけど海人が何かを察するように声を掛けてきた。
中「なんかあったでしょ」
海人はこうゆう所無駄に鋭い。
いつものほほんとしてるくせに
「んー、まあね」
昨日の出来事を隠すつもりはなかったけど、まだ話すには早い気がした。
もう少し俺がAちゃんと仲良くなって距離が縮んでから。じゃないとAちゃんの信用を失ってしまうかもしれないからね。
中「ふーん。そっか〜」
そう言うと海人は自分の席に戻って行った。
海人は鋭いし、気付いてるんだけど
無理やりには聞いてこない。
それがこいつの良さでもあるし、
それにいつも助けられている。
こうしている間にもAちゃんが命を絶とうとしているんじゃないかと考えると不安はぬぐえない。
どこかで苦しみもがいているなら俺が何とかしてやりたい。力を貸してやりたい。
結局、彼女は今日、学校に姿を現すことはなかった
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みろこ(プロフ) - すごくいいお話です、。更新がんばってください!! (2020年1月14日 22時) (レス) id: e88739cb4f (このIDを非表示/違反報告)
けーぽ(プロフ) - めっちゃ面白いです!! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅 孔 雀 | 作成日時:2019年11月30日 23時