21. ページ21
.
父親が起きないようにそっと自分の部屋に入りベットに倒れ込んだ。
机にある小さな時計を見れば時刻は午前1時。
私の頭の中が宮近海斗という存在でいっぱいいっぱいな事実は正直、否めない…
でも、
彼は私を見て何を思っただろう。
醜い奴だ
可哀想な奴だ
気持ち悪い奴だ
引かれた?
軽蔑された?
「はぁ…駄目だなぁ…」
マイナスな言葉ばかり頭に浮かんでしまう。
今日はいつもに増して疲れきった。
厄介ながらも不安の募る高校生活の始まり
タイミング悪く父親に出くわし
初めて顔までもボコボコに殴られ
傷だらけで土砂降りの中駆け回り
初めて死んでしまおうとした。
そこで出会った宮近海斗という存在…
話の展開の中心人物は全て私のはずなんだけど、全く頭が追いつかなくて戸惑ってしまう。
彼に出会って「生きたい」と思えたのが本当に驚き。
痛む傷も、土砂降りの雨に濡れた体も、
彼との先程の出来事を思い出すだけで癒されている気がした。
色んな事がありすぎて、勉強した訳じゃないけど久しぶりに頭をフルに使った気がした。
気付けば傷の手当も、雨に濡れた半乾きの体も放ったらかして眠りについてしまった。
恋心なんて今までの人生無縁で知らない私には、
自分を救ってくれた彼に恋をしているなんて…
まだまだ、気付く余地もない。
201人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みろこ(プロフ) - すごくいいお話です、。更新がんばってください!! (2020年1月14日 22時) (レス) id: e88739cb4f (このIDを非表示/違反報告)
けーぽ(プロフ) - めっちゃ面白いです!! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅 孔 雀 | 作成日時:2019年11月30日 23時