【雨音】 (ページ17)

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彼女が何かを抱えていることは初めて出会った今朝の雰囲気で察しているつもりでいた。

けど、こんなにも追い詰められているボロボロな彼女を見て事の重大さに痛感したんだ。

見てる俺でさえ辛いのに、

彼女はどんなに辛かったんだろうだなんて考えたら苦しくて仕方なかった。

「そっか、そうだよね。ごめんね？なんも知らない俺が急に首突っ込んできてウザイよね。

でもほら！今日ちゃんと学校来てたし…

てか、こんな雨の中傘もささずに人が突っ立ってたらそりゃほっとけないじゃん？」

雨に掻き消されない程度の声量で若干焦りながら話した。

「なにがあったか俺にはさっぱりだけど、君を見捨てることなんて出来ないよ。」

すると彼女はびっくりした顔を俺に向けたんだ。

青「私を見捨てれない……？」

俺は変な事を言ってしまったのだろうか。

彼女はとても驚いていた。

「うん。見捨てれない。」

とにかく彼女が落ち着いてくれて良かったと心の底から安心した。

青「そう言えば、何処かでお会いしたことありましたっけ？」

急に向こうから質問してきたのでテンパってしまった。

「あっ…え？」

青「いや、さっき学校にちゃんと来てたね。って」

「ああ！そうそう。俺、君と同じクラスで隣の席の宮近海斗っていいます！よろしくね！」

とりあえず勢いで自己紹介をしておいた。

彼女と会話が弾み始めた頃

雨は少しずつ弱まっていった。