【雨音】 (ページ14)

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宮近 side

「じゃあね。」

中「ばいば～い。」

家が隣りの海人と一緒に高校から帰宅した。

帰ってから暇つぶしにでもと映画を見てた。

俺は両親と妹との4人家族で海人の所と家族ぐるみで昔から仲がいい。

ちなみに家は高校から徒歩20分くらいの位置で割と近くて便利なんだ。

映画を2、3本見終わって次は4本目。
すっかり夜になっていた。

映画でアイスを食べるシーンがあり、俺は今すぐアイスを食べたいという気持ちに支配された。

冷蔵庫を一応覗いて見たけど、まだ蒸し暑い夏じゃあるまいしアイスをストックしてあるはずがなかった。

「ちょっとコンビニ行ってくるね。」

お母さんにそう伝え俺は家を出た。

「雨降ってんじゃん…」

若干面倒だとも思ったけど、アイスを食べたい気持ちの方がでかかったから俺は傘を取り足を動かし始めた。

見慣れた公園が見えてくる。

大きな大きな桜の木が目印の公園。

家を出た時よりも強さ激しさを増す雨を見て思った。

「この雨じゃ、桜の木の見頃も今日で終わりか…」

いつもならさっさと通り過ぎる公園

でも、今日は違った。

だって。だって、こんな土砂降りの雨の中、傘もささずに突っ立っている人の影を俺は見つけたから。