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22:56
大野さんのマンションのインターホンを押す。
玄関の前まで行けば丁度扉が開いて大野さんが顔を出した。
智「よ。…なんだスーツか」
「明日はここから会社に向かわなきゃならないんで」
智「だよね、上がってー」
気の抜けた声を出したまま私を迎え入れた。
土曜振りにここでピンヒールを脱ぐ。
「っ…ちょ、」
そして玄関で私達はキスを交わした。
交わしたというより交わされたと言う方が正解。
深い深い深い底が見えないような甘いキス。
大野さんはやっぱり大人だ。
カズの様な子供っぽく乱暴なキスではない。
荒くても何処か優しさが隠れてて… ってまた私はカズのことを思い出した。
智「誰の事考えてんの」
「…別に」
智「俺だけを見て」
その言葉、色んな女に言ってるんでしょ。
あぁ、憎い。モテる男が憎い。嫌いだ。
でもそうやって言いなりになる私が嫌だ。
なんて思いながらも私は頷いた。
私達は寝室に吸い込まれるように足を運ぶ。
今の私にはスーツが皺になるなんて気にもしなかった。
考える余裕すら与えてくれなかった。
大野さんは優しくて底の無い綺麗な海の様。
そこにハマった私は哀れな魚。
あの受付嬢だってキャバ嬢だって彼に言い寄る女は
みんな哀れな魚でしかない。
悔しいけど大野さんには敵わない。
私達は愛のない最果てに辿り着いた。
智「我慢出来なくなっちった、すまん」
「大丈夫です」
智「やっぱりAちゃんが1番だなぁ」
「その言葉、誰にでも言ってるんですか？」
智「それは秘密」
言ってるなこれは。
「そうですか」
智「何、皆に言ってたら嫌？嫉妬する？(笑)」
「何で大野さんを好かなきゃならないんですか」
智「釣れねぇな」
また大野さんは昼間見せた顔をした。
智「行為の時は可愛いのに終わったら直ぐ素っ気ない敬語の部下になっちゃう」
「そうですか」
智「それはそれでクるからOK」
「変態」
智「今に始まったことじゃねぇよ」
大野さんは笑う。
私は笑えない。
だって私に彼を手に入れることは不可能だと身に染みたから。
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蒼野(プロフ) - まめさん» 本当にまさかの展開ですね…(笑)これからどうなっていくのかお楽しみください(o^^o)ありがとうございます！ (2017年10月14日 12時) (
レス) id: 5c35eae897 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - まさかの展開でビックリしました。とても面白いです！更新頑張ってください (2017年10月14日 10時) (レス) id: a8903bcd8d (このIDを非表示/違反報告)
べにこ(プロフ) - けいこさん» 幸せだなんて言ってくださると私まで幸せになります(><)有難うございます！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 5c35eae897 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 自分に置き換えて読むのが大好き。幸せ… (2017年9月29日 18時) (レス) id: b16eeb3d0e (このIDを非表示/違反報告)
べにこ(プロフ) - しましまさん» 有難うございます(^_^)自分の理想通りに書けてるのかどうか…(笑)更新頑張りますね (2017年9月25日 19時) (レス) id: 5c35eae897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼野 | 作成日時：2017年9月24日 1時
