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四十九話、夕食と友人 ページ49

「どうぞ、一兄」

「ありがとうな、三郎。神羅、靴脱げるか?」

『う、うん…大丈夫……』

三郎は先を歩き、車椅子を扉の奥に置き自宅の方の扉を開ける。
中に入った一郎は先に自身の靴を脱ぎ、神羅を玄関に座らせると靴を脱いでもらう。此処までやってしまうのは神羅が可哀想だと思ったのだろう。


「!兄ちゃん!おかえり〜!」
「一郎さんおかえりなさーい」
「兄貴おかえりなさい!」
「お邪魔してまーす」
「お邪魔、してます…」

「おう、ただいま、二郎。…あーその、二郎のダチか…」

一郎の声を聞いた二郎は腕捲りをしたままリビングを仕切る扉から廊下に顔を出す。ひょこひょこと友人らしき男達が4人顔を出す。


『っひ、い、る……ぁ、っげほっ、ゲホッ…!!』

「あああ……二郎!三郎の手伝いしてやってくれ!神羅、すまねぇな…悪ぃなダチ達も、ちょっと待っててくれ!」

「う、うん!」
「は、はい!」
「(悪いことしちゃったかな)」


一郎は怯えて冷や汗と激しい震え、そして咳き込む神羅を抱えて友人達の脇を通り自室へ行く。


「おい二郎、今日昼に一兄に言われたことを忘れたわけじゃ無いよな?」


一郎が居なくなると三郎は靴を脱がずに車椅子を玄関に入れると扉の鍵を閉めて、低い声で怒ったように二郎に説教を始める。


「…ああ」

「……だったら友達くらい止めろよ。僕たちの時に神羅さんが散々過呼吸起こしてたの忘れた訳じゃないんだよな」

「……ああ…わかってた…」

「……はぁ…すみません、お見苦しい所を。ご覧の通り今うちに来ている神羅さんは人間恐怖症なのであまり近づかないでください。おい二郎、車椅子やっといてよ。僕はやることがあるから」


三郎は友人達に頭を下げると靴を脱ぎ、二郎に指を指して一郎の部屋へ向かった。やっておけ、とは車輪を拭く事だろう。部屋の中で車椅子を使えるようにするためには必要な事なのだ。


「えっ、おい待てよ…!……はぁ…悪いな、お前らも…」

「いや、気にするな二郎。俺らが悪かったんだからよ」
「そうそう、俺らが無理にしなきゃよかったんだし」


友人達も少し反省しているのか、そう言っていた。二郎は友人達に手伝って、時折励まして貰いながら車椅子を拭いた。

ーーーー

「ッチ、少し待ってろ……!」

『っあ…ゲホッゲホッゲホッ!!ぁ…ヒューッヒューッ…』

一郎は自室のベッドに神羅を下ろすと、背中をさすりながら誰かに電話をする。

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伏見桜(プロフ) - ちょっと待ってもう50話??????????ポッセ描いてたのにこれに気付いてタッチペン投げてしまった……。これも一重に皆様が読んでいただいておりますお陰です。誠にありがとうございます。 (2020年5月6日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 水月さん» ありがとうございます!!お久しぶりでございます、まだまだ終わりは見えませんがいつでもフルスロットルで頑張らせていただきます! (2020年5月1日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - お久しぶりです!続編も見させて頂いてます!これからも更新頑張ってください! (2020年4月30日 4時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 時神さん» ありがとうございます!!常に散々な目に遭う主人公ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
時神(プロフ) - たまたま見かけてシリーズ一気読みしました……すごい好きです更新頑張ってください!!!!! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伏見桜 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年4月16日 1時

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