二十話、薬局 ページ20
「……こんにちは、お願いします。」
「!?は、はい、こ、こここんにちは!わ、わかりました…お薬手帳などはお持ちでしょうか?」
「すみません、本日はなくて…」
「あっ、い、いえ、無くても構いませんので…!…………えぇ、と……一時間程お待ち下さい…!」
「はい、ありがとうございます」
病院に隣接している処方箋を受け付ける薬局に来た寂雷は薬局の人間に驚かれながら紙を渡す。独歩と一二三、神羅は先に車に戻っていて貰ったのだ。
一時間後、寂雷は薬を受け取り車に戻ったのである。
「只今戻ったよ。待たせてしまってすまないね。」
「いえ、寧ろ俺が行って先に先生と一二三達に帰って貰ってた方が良かったかもしれません……ありがとうございます…」
「センセーおっかえりー!んじゃ帰ろ帰ろー」
「嗚呼、そうかもしれないね。……帰ろうか。」
時刻は間も無く16時。日が傾き始める時間帯だ。
橙色に染まりゆく空の下、車を走らせそう遠くはない独歩と一二三の家へと帰っていった。
「んじゃー、俺っちはばばっと晩飯作っちゃうからセンセーと独歩は先にシャワっちゃって〜」
帰宅からしばらくして、一二三はエプロンを着けながらそう言った。神羅は未だに意識を失ったままである。
「わかったよ。…独歩くん、先に行くかい?」
「い、いえ、先生が先に……」
「……では、有り難く先に入らせてもらうよ。」
このまま断れば譲り合いが永遠と続くと察した寂雷は早々に折れ、風呂へ行った。
「一二三、何か手伝うことは…」
「だーいじょぶ……あー、んじゃあ机の上拭いといて。あと散らばってるもん片付けて」
「わかった」
一二三から言われた独歩はキッチンペーパーと除菌用アルコールの入った噴霧器をリビングの机の上に置く。そして深夜の神羅……Bloody Todとの乱闘騒ぎによって荒れた家の棚などを整理、元の場所に直していく。
その間に一二三は手早く味噌汁、主菜を作り始める。米はもう炊き始めておりあと三十分で炊けるとあった。キッチンからはほのかに鼻を刺激する香りがしており、どうやら今日は麻婆豆腐の様だ。
流石の一二三も一から作るのは無理なので、レトルトの餡を使用していた。
独歩が部屋の片付けを終わらせた辺りで寂雷が風呂から上がった。
「!独歩くん、あとは私がやるから君はお風呂へ入るといい。」
「え、で、ですが…」
「一二三くんの料理もそろそろ出来そうだからね、早く入ってきなさい。」
「……はい。」
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伏見桜(プロフ) - ちょっと待ってもう50話??????????ポッセ描いてたのにこれに気付いてタッチペン投げてしまった……。これも一重に皆様が読んでいただいておりますお陰です。誠にありがとうございます。 (2020年5月6日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 水月さん» ありがとうございます!!お久しぶりでございます、まだまだ終わりは見えませんがいつでもフルスロットルで頑張らせていただきます! (2020年5月1日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - お久しぶりです!続編も見させて頂いてます!これからも更新頑張ってください! (2020年4月30日 4時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 時神さん» ありがとうございます!!常に散々な目に遭う主人公ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
時神(プロフ) - たまたま見かけてシリーズ一気読みしました……すごい好きです更新頑張ってください!!!!! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伏見桜 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月16日 1時