十一話 ページ11
『う、うん……わ、わかった……』
話を聞いた一二三は顔を手で覆い、後輩はそんな一二三を見てなぜかわたわたとしている。
「つかホントによく来れたな…センセーと独歩ちんは?」
『ね、寝てた、から…』
「あー、そっかぁー、俺っちが言っちまったもんなー、うん……」
『え、えと、あの、で、でも、ひ、一人で、来れたよ…!』
「……そうだな……俺っちとしては喜んでいいのか悲しんでいいのかわからないよ……」
無事来れたもののその後直ぐに面倒事に巻き込まれた神羅に一二三は悩みながらどうにかそう言った。
一二三も着替えの途中だったのか、シャツとズボンだけホストの服であった。
顔が良ければそんな服でもかなりオシャレに見えてくるものである。
「せ、先輩、シャワーとか…」
「んー、車椅子だからなぁ。入らないっしょ、そこ。」
「あ、そっか……」
「あ、オーナーに遅れるって伝え貰っていい?ちょっと神羅っちどうにかしないと……」
「は、はい!!」
「ゴメンネー、ありがとー!」
後輩をそう言って更衣室から退出させると一二三は神羅のパーカーをバッと脱がせる。
『わ、ひ、一二三…?』
「……なぁ、そいつの顔覚えてねーの?」
『ご、ごめん……フード、被ってたから……』
「……そっか。ま、いいや。お客さんに聞けばわかるっしょ。」
『ごめん、ね……お仕事に、遅れちゃう…』
「ん、いーのいーの。そもそも神羅が来てくれなきゃ俺っち仕事できなかったし。これくらい良いよ。」
パーカーの下は何も着ていなかった神羅は短時間だが火傷で赤くなった素肌が露わになる。過去の傷が残っていない為それは白い肌によく映えた。手もパーカーで隠れていただけでかなりの場所が火傷になっていた。
幸いにも水ぶくれにはなっていないが、かなりの痛みだろう。上半身は殆ど火傷になっており、顔もフードで隠れていなかった口元、下半身も太腿の一部が火傷になっていた。
これは普通に警察に行くレベルであるが、一二三の事を優先、人と会うのが怖い神羅は行かずにそのまま此処に来たのだろう。
一二三は静かにそれを見て相手のことを覚えていないかと聞いたが当然ながら覚えていないようで、後から客に聞こうと考えた様だ。
この後来るだろう客はこの時間帯は此処らへんを歩いているので神羅に突っかかった者の騒動は遠目にでも見ているだろうと思った。
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伏見桜(プロフ) - ちょっと待ってもう50話??????????ポッセ描いてたのにこれに気付いてタッチペン投げてしまった……。これも一重に皆様が読んでいただいておりますお陰です。誠にありがとうございます。 (2020年5月6日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 水月さん» ありがとうございます!!お久しぶりでございます、まだまだ終わりは見えませんがいつでもフルスロットルで頑張らせていただきます! (2020年5月1日 2時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - お久しぶりです!続編も見させて頂いてます!これからも更新頑張ってください! (2020年4月30日 4時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)
伏見桜(プロフ) - 時神さん» ありがとうございます!!常に散々な目に遭う主人公ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 3120be2f53 (このIDを非表示/違反報告)
時神(プロフ) - たまたま見かけてシリーズ一気読みしました……すごい好きです更新頑張ってください!!!!! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伏見桜 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月16日 1時