赤いリードと緑のベンチ TH

27.誕生日おめでとう ページ27

テテ「本当に描いてくれたんだ。


このケーキ今ここで食べてもいい？」





「いいよ全然っ、時間あるの？」





テテ「ちょっとなら。


Aも一緒に食べようよ。」





「私も？


あっ待って、じゃあフォーク取ってくるから、」









そう言って一旦裏に下げるショートケーキ







一本だけ真ん中に蝋燭をさして火をつける








店内の照明を落とすと真っ暗になり









表から聞こえたキムテヒョンの驚いた声









「♪ センイル チュッカハムニダ〜

センイル チュッカハムニダ〜

サランハーヌン キムテヒョーン」





テテ「エヘへっ。」






「♪センイル チュッカハムニダ〜」









蝋燭の火を吹き消した彼が









テテ「っはは、ありがとう。」









照明をつけると拝むように手を合わせ嬉しそうな笑顔を見せる彼









「そこに座って。」









丸椅子を持ってきてフォークを渡し








「コーヒーがいい？」





テテ「っあ、コーヒー・・飲めなくて。」





「そうなの？何なら飲める？ジュース色々あるよ。」





テテ「コーラとかある？笑」





「コーラでいいの？ケーキと合う？笑」









あの時





ジミンが言ったコーヒーが飲めない人って




きっとキムテヒョンのことで









テテ「Aっ、ほらっ口開けて。」









口元に差し出されるケーキに





咄嗟にマスクを下ろしパクッとひと口









「誕生日なんだからキムテヒョンが食べてよっ。」









と、もぐもぐしながら言うと








次は私にフォークを握らせて





手首を掴まれ、クリームの部分を掬うと





キムテヒョンの口の前に持っていかれて








テテ「(アムっ)フハッ、美味しいっ。」









無邪気な笑顔がただただ可愛くて








私の手からそのフォークを取って







クリームをたんまりと乗せ、もう一度私に向けると








口からはみ出したクリームに







「あっ・・」






手で拭き取ろうとしたその時・・








「・・・っ、」







キムテヒョンの親指が私より先に拭き取ってくれて








指についたクリームをペロッと舐めては






恥ずかしそうに視線をずらす彼に





胸の奥を締め付けられる

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