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これから大谷くんはプロの世界でたくさん活躍して、たくさんの人と出会って私のことなんか忘れてしまうかも知れない。
この高校生活が夢だったんじゃないかって思ってしまう日も来るかも知れない。
でも、確かにこの三年間は存在していた。
大谷くんとの日々は確かに存在していた。
思い返せば笑い合った楽しい時間しかなくて、思い出すだけで胸が締め付けられる。
もしかしたらもう…会えないかも知れない。
そう考えると自然に大谷くんを追いかけていた。
待って、お願い、待って…
「大谷くん!!」
大谷くんは階段を降りようとしていて、私の声に振り返る。
「Aさん?」
私の好きが届かないなんて知ってる。
だから、好きの代わりに伝えたい。
「頑張れ!」
「!」
「頑張れ!大谷くん!!」
「ありがとう!Aさんも頑張れよ!またな!」
手を挙げた後、大谷くんは北海道に向かって行ってしまった。
大谷くんの姿が見えなくなって、私の目からは涙が溢れ出す。
「っ……うぅっ…」
ポツンと残って泣いている私の両腕に急に自分とは違う腕がそれぞれ左右に巻きつけられた。
「っ!」
「あーあ。Aと大谷らしいよね、好きなのに最後まで笑ってさよならとかさ」
「A、私達ちゃんと見てたよ。頑張ったね」
「ゆか、り、れいかっ…」
私の精一杯を見届けてくれた大切な友達の前でひとしきり泣いたあと、三人で腕を組んだまま学校を出た。
こうして私の高校生活は終わりを迎えた。
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nanami(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです( ; ; )!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 23時) (レス) id: e69a6fea83 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます♡♡続きがとっても気になります(><)!!これからも更新頑張ってください☆ (2023年4月13日 23時) (レス) @page50 id: 05a7f2dc28 (このIDを非表示/違反報告)
nanami(プロフ) - 麻美さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようでとても嬉しいです!(^^) 更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 22時) (レス) id: e69a6fea83 (このIDを非表示/違反報告)
麻美(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみしてます!更新頑張って下さい(^^) (2023年4月13日 18時) (レス) @page49 id: 48ac5be23b (このIDを非表示/違反報告)
nanami(プロフ) - ゴリラさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようでとても嬉しいです!(^^) お気遣いありがとうございます(;o;)!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 9時) (レス) id: 0b13e51f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanami | 作成日時:2023年3月24日 7時