only one/西川泰志 ページ3
「だァから、鬼邪高には1人で来るなっつったろが!!」
正座をさせているのに、顔は逸らしてつまらなそうな顔をしている反省の色がまったく見えないAの前に腕を組んで立ち塞がりながら怒る。
なんで怒っているか。それは!俺が絶対に危ないから鬼邪高には1人で来るなっつったのに、こいつが鬼邪高に来たから。
「別に何にもなかったんだからいいじゃん……」
ぽそっと呟いたAに「何かあってからじゃ遅えんだ馬鹿!!!」と怒鳴ってやる。
俺含め鬼邪高の面子はAとは知り合いだ。中学2年のときに引っ越してしまったもののガキの頃は俺らとよくつるんでいて、女子のくせに運動が好きな奴だった。
最近またしても親の都合でここらに引っ越してきたらしく、学校は違うが度々遊びに来るようになった。でも危ねえから遊びに来たいときは俺が迎えに来てやるって言ったのに。……なんで俺が、って?そりゃあこいつのことが好きだからに決まってる。
「何かあったら守ってくれるってみんな言ってたし!」
「そりゃあてめぇに何かあったら鬼邪高総出で助けてやるよ!でもな、俺らだっていつでも暇なわけじゃねえんだよ」
俺の怒号にAはびくりと肩を震わせた。でも仕方ない、こいつに何かあってからじゃ本当にまずい。だから危機感のねえこいつに危ないってことを教えてやらねえ……と?
俯いたAがぐすぐすと鼻をすすりだす。よくよく見ると膝に置いている手にぽたぽたと雫が落ちてきた。
「な」
泣いてやがる。長年一緒にいて、こいつの泣き顔を見たのは生まれて初めてだ。
どうすれば良いのかわからなくて、狼狽えながらも俺はAの目線と合わせてしゃがんで顔を覗き込みながら、袖口で濡れた顔を拭いてやった。するとAは震えた小さな声で「ごめん……」と呟く。
久しぶりに会って、髪が伸びて服も女っぽいのを着ていたAに驚いた。俺の怒鳴り声で泣くし、ちゃんとしたかわいい女子になってた。だから変な奴に絡まれねえようにって、みんなすげえ心配になったんだよ。
「許す」
静かな声で言って、どさくさに紛れて抱きしめてやった。
あーあ。さっさと俺だけに守られときゃいいのに。
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物語を作るのってなかなか難しいですね……!こちらの方はゆったり投稿していきたいと思います。気長にお楽しみください。
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みのり(プロフ) - 幼い、じゃなくて幼馴染です! (2022年10月6日 0時) (レス) id: c34ffc6411 (このIDを非表示/違反報告)
みのり(プロフ) - ありがとうございます〜。主が小田島の幼いなじみでそれに嫉妬するヤンデレビンゾーくんが見たいです。。 (2022年10月6日 0時) (レス) id: c34ffc6411 (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - みのりさん» わ〜〜〜みのりさん!!お待ちしておりました❤️🔥💖もちろんです、リクエストお願いします!!! (2022年10月5日 21時) (レス) id: 689bc8be02 (このIDを非表示/違反報告)
みのり(プロフ) - いおりさん…ビンゾーくん最高です。リクエストお願いしてもいいでしょうか? (2022年10月5日 21時) (レス) @page4 id: c34ffc6411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いおり | 作成日時:2022年10月4日 10時