天ヶ瀬冬馬と付き合ってる ページ6
「やっぱりかっこいいですね」
まるで食べたものの感想を伝えるみたいに自然と出てきたそれに冬馬は二度瞬きをしてから「は？」と間抜けな声を零す。突拍子もない女の発言に意図を図りかねているのか訝しげに眉をひそめたまま、冬馬はその先を待った。
「かっこいいなぁ、と、思いまして」
今度は途切れ途切れに、それが紡がれる。こちらを真っ直ぐに射抜く視線から逃れるように顔を俯けながら。冬馬はそこでようやく女の指す「かっこいい」がなにか気付いて、今度こそ何も言えなくなった。重たい沈黙。しかしその場には確かに生温い空気が流れている。
「Aさん、」
「せめて二人でいる間は冬馬に釣り合うような可愛い自分でいたいんですけど……」
その言葉のなんと、もどかしく焦れったいことか。
普段スーツ姿で隙のない彼女が、こうして二人で会う時だけくだけた格好をしてくる。履きなれないショートブーツを少し落ち着かない様子で脱ぐ後ろ姿。何もかもが、女の全てを知らない冬馬にとって特別だというのに。
「あんたはかわいいよ」
吐いた息がどうにも熱い。自分はこんなことをいう人間だったか、とまで考えてやめた。お互いがお互いを知ったその時からきっともう手遅れなのだ。
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おむらいす(プロフ) - ふわふわさん» 読んで頂けただけでなく、そんな風に言って頂けて本当に本当に嬉しいです。とても、励みになりました。更新ペースは遅いですがまた立ち寄って読んで頂けたら幸いです。ありがとうございます！ (2018年3月25日 0時) (
レス) id: 64dc1c1c42 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - 素敵な作品に出会えて、とても嬉しいです。お身体に気をつけて、更新応援しております。 (2018年2月26日 17時) (レス) id: 3dcd01e362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おむらいす x他1人 | 作成日時：2017年10月24日 3時
