ファン以上 恋人未満？-Ryosuke.Y-

ストレートな物言いの彼女 ページ38

涼「撮影は順調?」


『うん、すっごく楽しい
日本語の勉強にもなるよ』


約束していたAちゃんとのランチ


知り合いがオーナーをやってる、行きつけのカフェの個室にやってきた


涼「大ちゃんが言ってたよ
Aちゃんの演技に圧倒されるって
同じ子役出身として尊敬するって」


『そんな、大貴くんもすごいんだよ
他の役者さんが演じたらきっと鼻に付くようなキャラクターなんだけど、彼がやるとなんだか憎めないっていうか...』


涼「そっか
俺もね、もうすぐ主演させてもらった映画が公開するんだ」


『楽しみ! 絶対に観に行くね』


涼「ありがと」


『どういう作品なの?』


同じ役者であり、アイドルであるAちゃんとする演技の話に夢中になった


涼「Aちゃんはさ、自分はアイドルだと思う? 役者だと思う?」


『うーん、どっちでもない...かな』


涼「どっちでもないって?」


『子役から演技をやらせてもらってたけど、
演技で世界中に知ってもらえたのは、アイドルデビューした後だったの
アイドルとして、演技してたのかなぁ、あの頃』


涼「わかる 役のイメージがアイドルとしての自分のイメージに合わないときとか、
アイドルとしての仕事に支障が出るんじゃないかとか考えてたことあった」


『たしかに
逆にわたしは、一時期アイドル活動より演技を優先させてたときがあったの
久しぶりに歌って踊ったら違和感があってさ』


涼「あー、それって事務所が演技の仕事にフォーカスしたってこと?」


『そう、ある作品で世界に行って、それでありがたいことにオファーが続いて...
事務所はグループを優先させるよりも、わたしが世界で人気を得ることでグループも売り込もうとしたんだよね...
そのおかげで美女ランキングとかにも取り上げてもらったりするチャンスを掴んだんだけどね』


涼「それはAちゃんの実力だよ
ファンはみんな”人類の奇跡”って呼んでるんだよ?」


俺も初めて見たPVで、CGかと思ったもん


『涼介くんだって すっごく綺麗で見入っちゃうもん』


涼「俺自分の顔に満足したことないよ?」


『満足しちゃったらそこで終わりだって、社長に言われたことある
やっぱり涼介くんの言うことって深いよね』


涼「恥ずかしいよ」


日本人っぽくないストレートな物言いは、俺をドキドキさせる

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