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安「凛さんから見て彼の様子はどうでしたか?」
「あなたに名前呼びを許可してないんだけど?」
安「まぁ良いじゃないですか!僕も呼びたいですし」
「はぁ...西川さんの物言いはいつも通りと言えばいつも通りよ。私は目の敵にされてるから。ただ事件直後とさっきの様子を見る限り後ろめたい事があるみたいだし白とは言いきれないわね」
安「命を狙われている可能性がある人に警護なんて必要ないと言い切った訳ですからね。また仕掛ける為とも考えられる」
コ「もし西川さんが犯人だった場合、動機って何?」
「いつも言われてる事を踏まえると女でプロ野球の世界にいる事が気に入らないって事しかないわね」
コ「それだけ?」
「それぐらいしか関わりがないのよ。私は外野はどこでも出来るし彼が調子悪い時には私が代わりに入ったりしてたから邪魔に思っても仕方ないけど...プロとしては信じたくないわね」
コ「プロとして?」
「だって実力主義の世界で負けそうだから殺そうとするなんてプロとして有るまじき行動じゃない」
確かにそうだけど...
コ「仲間を疑うのって辛くない?」
「うーん...状況が特殊だから完全に信頼はできてないんだよね。元々仲間としてじゃなくて話題性で迎え入れられたようなもんだし、他の選手も今は軟化したけど西川さんと同じ考えを態度に出してた人達だしねぇ」
安「実力を認めてもらえても一線引いてた方が楽な感じですか」
「そうそう!気を許して背中を見せるとグサッとやられそうな危うさがあるのよ」
物騒な例え方するな…汗
「球団も私の扱いに困ってるしね。ただの話題づくりのつもりが傷害事件の被害者になるわ脅迫はされるわ、想定外のことばかり起こってるからしょうがないけど」
安「監督は球団で守ってきたと仰ってましたけど?」
「初めて警察沙汰になった時、球団は私を解雇するつもりでいたのよ。でも監督は私を選手として扱ってくれるから球団に直談判してくれたの。過失がない実力ある選手を球団の都合で振り回すのかって」
「それから球団は警備強化や呼びかけをしてくれるようになったの。あとは余計な混乱を招かないように他の選手がやってるようなインタビューやテレビ出演、ファンとの交流も原則なし」
そういやテレビとかで凛さんが話してるとこ見た事なかったな。
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作者名:bell | 作成日時:2018年7月20日 20時