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181 A.U ページ33

花月くんに声をかけられた看護師さんはばっと顔をあげた。


内「…あきら?」


そこには大人っぽくなったあきらがいた。

俺は目の前の出来事が信じられなくてゆっくりとあきらに近づいた。


内「あきら?本当に…?」

「あっちゃん…」


あきらの俺を呼ぶ声を聞いた途端、俺の体は自然と動き出し、あきらを抱きしめた。


内「あきら…あきら…無事で良かった…」

「あっちゃん…ごめんね……ごめんね……」


俺たちはしばらく抱き合いながら涙を流した。







落ち着いた頃、俺らはベンチに座って話をした。

内「あきらは今まで何をしてたんだ?」

花「銀次さんが創生の王になったところまではわかりましたか?」

内「まあなんとか理解は出来た」

「銀次さんは今までの世界で生きることを望んだの。昔のような無限城、裏新宿で」

花「無限城は今までと同じ姿を取り戻しました。しかしその中でも形を変えたものがあるんです」

大谷「形を変えたもの?」

「バーチャルリアリティの中でしか存在しなかった人が現存したり戦いの中で仮死状態になった人が復活したり」

花「戦いの中で負った傷が治っていたりしましたね」


…落ち着いた思考がまた混乱しそうなんですけど!


花「中でも大きく変わったのがAの存在です」

内「存在が変わったってどういう事?」

花「Aは無限城の中でも有名でした。ですが銀次さんの表で生きて欲しいという思いから無限城の一部の人間を除いてAが無限城で生きたという記憶を消したんです」

内「そんな事できるの!?」

花「銀次さんがそう望んだんです。そのおかげでAは裏で知られる事はなくなりました。歌姫だからという理由で狙われることはなくなったんです」

大谷「じゃあ…」

花「ええ。Aが表で生きても誰も邪魔はしません。内田さんの妹だとどこにバレても後ろ暗いことはないんです。まあ一度養女に出された事は残りますが…」

「戦いの後、表で生きることは出来たけど学歴はないままだから…胸を張って生きる為に看護学校に行って看護師の資格を取ったの」


今は看護師としてこの病院で働いているとのことだ。

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作者名:bell | 作成日時:2017年9月13日 1時

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