178 A.U ページ30
北海道であきらを止めようとしてから数年が経った。
俺が目を覚ました時にはすでにあきらの姿はなく、岳達を問い詰めても誰も何も言わなかった。
それから何度もあきらの携帯に連絡したけど通じない。
時を同じくして裏の奴らとも連絡が取れなくなった。
カランカラン
ポ「いらっしゃい」
内「どうも」
夏「内田さん！最近よく来てくれますね！」
内「まあね。日本に戻ったし、チームにもなれてきたしね」
俺はプロデビューした鹿島に移籍し、日本に戻ってきた。
岳はスペインのチームに移籍して頑張っている。
ポ「嫁と娘おいてこんなとこで油売ってていいのかよ？」
内「奥さんは理解のある人だし、他の日に家族サービスしてるから大丈夫だよ」
俺にとってホンキートンクはあきらと自分を繋ぐ唯一の糸だ。
ポ「まあオレは売り上げが上がって有難いけどな。昨日も槙野や坂本が来たよ」
距離が近いやつらは頻繁に来てるみたいだな。
内「ポールさんは花月くんや美堂くんと会ってんの？」
ポ「ここはあいつらが依頼人と会う時に使ってるからな」
内「俺、会わない…」
ポ「裏稼業の依頼について話すんだから人払いするさ」
なるほどね
内「…あきらは来てない？」
ポ「ああ…」
あきらはどこにいるんだろ…
カランカラン
大谷「こんにちは」
内「大谷？」
大谷「内田さん！お久しぶりです！」
ポ「よおメジャーリーガー。こんなとこに来てて良いのかよ？」
大谷「しばらく来れなくなるんでポールさんのコーヒーを味わっておきたいんですよ」
大谷は目標だったメジャーに行くことが決まって忙しくしてるようだ。
大谷「内田さん、あれからAちゃんは？」
俺は静かに首を振った。
大谷「そうですか…」
ポ「ほら、今日はスペシャルブレンドだ。これ飲んでメジャーでも頑張ってくれよ」
大谷「ありがとうございます」
Prrrrrrr Prrrrrrrr
ポ「へい、ホンキートンク…よお、どうした？……ああ、今ちょうど来てるぞ。………わかった、伝えとく」
ガチャ
内「どうしたの？」
ポ「お前まだ時間あるか？」
内「大丈夫だけど…」
ポ「もうすぐ花月がくる。しばらく待っててくれ」
内「花月くんが！？」
大谷「俺も待ってて良いですか！？」
ポ「花月は何も言わなかったから大丈夫じゃないか？」
花月くんに会えればあきらにも会えるかもしれない…
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作者名：bell | 作成日時：2017年9月13日 1時
