幸福の賛美歌

11 ページ13

橋「表に出られない理由でもあるのか？」

「...私には裏が合ってるんだよ。居心地いいしね」


私は裏で育った。

表に出る事は出来ない。


橋「そうか...」


ごめんね、組長。

こればかりは譲れない。


橋「一つ約束しろ」

「何？」

橋「辛くなったら必ずうちを頼れ。そして...死ぬんじゃねぇぞ」

「...ありがとう、組長」


裏は死と隣り合わせ。

いつ命を失ってもおかしくない。

でも大切な人たちを悲しませないように、精一杯生きるよ。





組を後にして三つ葉についての調べを進める。


trrrrrrrr trrrrrrrr


「もしもし？」

蛮《よお、今いいか？》

「大丈夫だよ。そっちはトレーニングセンターでしょ？どんな感じ？」

蛮《男ばっか。》

「当たり前でしょ笑」


女好きな美堂くんらしい感想だこと。


蛮《今の所変わりはないが、帯同スタッフの中に三つ葉製薬会社とReignって会社がいる》

「帯同してるの！？」


サプリの供給だけじゃなく、内部にも出入りしてるなんて...


蛮《しかも社長まで出入りしてるぞ》


トップが中にいるって事は...


「外から調べるよりも中で調べた方が早いって事か」

蛮《そういう事だ。ヘブンから会長達に話通してもらうから糸巻き連れて夜に来い》

「わかった」


出来るだけ直接的な接触は避けたかったけど仕方がない。

私は花月くんに連絡をして、トレーニングセンターに向かう事になった。


銀「A！かづっちゃーん！」

「銀次さん、元気だね」


私と花月くんが向かった場所は選手も泊まってるホテルの1室。


GetBackers、士度、ヘブン姉、そして秘書2人がいた。


「会長さん達は？」

秘書1「会長が頻繁に出入りすると目立つ為、テレビ電話で話を伺います」


秘書さんはパソコンを開き、操作すると画面には会長2人の画像が表示された。


サッカー会長《状況が変わったと聞いてますがどういうことですか？》

蛮「A」

「まず今までの報告。失踪したスタッフ2人は何者かによって殺されている事がわかりました」

秘書2「なんて事だ...」

「さらにスタッフの部屋にはすでにデータはなく、第三者に持ち去られてます。そこで2人の周辺を探ると裏取引のようなやり取りをしている節がありました」

野球会長《その取引の相手は？》

「まだ確証はありませんが三つ葉製薬会社とReignが浮上してます。この2社、両協会と契約してますよね？」


会長、そして秘書たちの顔が青くなる。

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す