夜宮祭【呪術廻戦】 (ページ10)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:8,037 hit

10月　※ ページ10

.

※高専３年生 (秤とか) が出てきます。

.

「うぉっ！……ガキ？」

『っ……！？』

休憩で自販機に行こうと稽古場を出ようとして、壁のような巨体にぶつかりそうになった

声に反射的に見上げると、
ドレッドヘア、何故か三等分になった眉……と、そこまで見た所で厳つい視線に負けてさっと、目線を下げた

どう見てもヤの付く職業にいそうな、関わるとまずそうな人に出くわしてしまった

逃げ出さなかったのはその人が高専の服を着ていたから

＿＿誰かと会っても取り敢えず挨拶しとけば大丈夫だから

五条さんがそんな事言ってた……けど、これは……

こういう時に限って五条さんどっか行くし……！

「え、誰その子！え、可愛い〜
名前は？どうしてこんなトコいるの？」

『へっ…！？』

巨体で完全な死角から現れた人に、顔を覗き込まれる

口元の四つのピアスに慄きそうになるが、瞳の中の星と、笑顔の柔らかさに目を引かれ何とか中和された

『宵宮A、です
五条さんにお世話に、なってて……』

「宵宮、よいみや……？

あー！！この子だよ悟ちゃんが言ってた子！」

「特級相当の呪霊の受肉体って奴か
……あ？聞いたのと違わないか？」

『ちがう……？』

「“この位の小ちゃいのが高専で彷徨いてるから、見掛けたら遊んだげて”って
この位は、この位」

女の人が手で示したのは私の半分ほどの背丈

『幼稚園児……？』

「そうそう、完全にそれくらいかと思ってた
どっちにしても、遊んだげるよ？」

『ありがとうございます……？』

どうにも頭の撫で方が年相応に対するものでないのは少し不服だけど、この人となら話せそう

「Aちゃん中学生？」

『中２です！』

「私らの２つ下かぁ」

『２つ…えっ高１なんで＿＿はっ！！』

思わず出た言葉に口を噤んで男の人を見る

やばい、怒られる……！

「分かるよ、金ちゃん超〜シブいよね。そこが良いんだけど」

しかし、存外本人は気にしておらず、代わりに反応した女の人が男の人の腕を取った

「綺羅羅、寮戻るぞ。
五条さんいないんじゃやることねえ、暇だな競馬観戦でもするか」

「えーもう？Aちゃん、もっと構いたい」

「ならオマエは残れよ」

「金ちゃんイジワルなんだ！そう言って私残ったことある？ごめんねAちゃん、また今度遊ぼうね」

『え、あ、はい』

結局誰かも分からないままに去って行く二人の背中を見送った

「あれ、二人とも何してんの？」

筈だった
.