夜宮祭【呪術廻戦】 (ページ9)

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「恵ってば、ホント初心ってか、女子みたいだよね
“擽ったいんだよ”〜ってアハハ」

「チッ」

伏黒は立ち上がると、床に散らかるゴミを見る目同様の視線を以って五条を見下ろす

視線はそのままAに。そして徐に襟を掴んで引き寄せた

「さっきからオマエら何なんだ？
俺はこんな不快な気分になってまで協力する価値あるか？
なぁ＿＿色々分かったんだよな？A」

『眼ぇ怖…って違う違う巻き添え！！
五条さんが悪いよ、何ならこれ恵の逆ギレだよ！？』

「舌打ちだけって効く……」

『五条さん悄気てないで助けてくだ＿＿うぇ、ちょ
待って恵分かった、色々分かったよ！！』

無言で掴んだ襟を振る伏黒の表情は、もはや無へと突き抜けてしまっている

「言え」

『ふっ、服越しは無理！
素肌は手からなら、何処からでも吸える量は一緒
他に吸える箇所探したけど、素肌出てて一応触れるトコは無理でし…た

……め、恵そろそろ手、離して……酔う、酔ってるから』

ひたすらに揺らされ、頭が揺れ続ける状況にAの生気が抜け始めている

「はいストップ。ほら、どうどう」

『……ご、ごめんって
恵が居てくれて、すごい助かってるのは本当だよ』

「……もうすんなよ」

『も、もうしないよ』

「ん」

五条に引き剥がされ、拗ねた顔をしていたが、Aの言葉には何処かしおらしく、渋々頷いた

『なんか恵の情緒おかしい……』

「恵ー、まだ調子悪いの？」

「うるさいです」

「酷くない？」

『恵、外で休む？』

「……自分で行ける」

部屋を出る伏黒の背中を見送ってAは息を吐く

『疲れた……介護してる気分でした』

「あながち間違ってないんじゃない？
匂いの影響あんま抜けてないんでしょ」

『お酒呑むとあんななるのかな……』

「見てる分には面白かったよ？」

『当事者が何で見てるだけなんですか
今日中に治るといい＿＿あ、そうだった
今日祝日ですよね。明日からって私どうしたら良いですか』

学校で騒ぎがあった日が金曜日

Aが起きたのが日曜の昼過ぎ

そして今日は祝日の月曜日と、運良く学校生活に支障は出ていない

「あー……年度明けくらいまでは学校行けないと思っといて」

『え？』

「死刑が帳消しになったとて、事前情報も何もない特級相当の受肉体を自由にするのは、体裁的にまずいんだよね」

『そう……そうですよね』

「まぁその間は僕も構ったげるからさ」

『じゃあ…それはちょっと期待しときます』

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