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「__それで、家で津美紀と3人でケーキ食べたと。
いやぁ恵が青春やってて僕は嬉しいよ。……僕の分は?」

「ウザイんでそういう反応やめてください。ちゃんと買ってます
あと玄関から入れって何回言わせんだ」



夜も更けて、用事もすべて終え、あとは寝るだけ_という時に居間の窓が開いたのだ


全身黒服、白髪グラサン、何故か頭にサンタ帽


どう見ても不審者が入って来ようとしたので、思わず窓を閉めたが、手摺の上で器用に三角座りをして、こちらを寂しげに見てくる様子が目も当てられなかったので、渋々家に入れた


入れたが最後、話せ話せと煩いので、あらましを話し、今に至る
あらましと言っても、本当に掻い摘んでだ


序に、時期が近いだけでサンタ帽は何も関係なかった



「まぁ…今日は色々助かりましたけど」

「僕はちょっと許可と出資をしてあげただけだよ
でも誕生日を人のために消費するとはね。頼みに来た時びっくりしたもん
__何が恵をそこまでさせるのかな」


「……別に
アイツに出来ることを俺なりに画策した結果です。誕生日は手段でしかない」

「ふ〜ん
そうだ。頼んでた()。どうだった?」



Aを連れ出す条件。出されたのは正確には5つ
最後の1つは、“Aの呪力操作の評価”

Aの呪力は呪霊を惹きつける
上手く分散させなければ最悪、一般人に被害が及ぶ


集中できない環境下でどれだけ呪力をコントロールできるか


ある種のテストになっていたわけだ


「指向性とかは問題ないと思います。駄々洩れとかは無かったですね
ただ…感情で量は結構振れてました」

「あーとんでもなくブレるから一定にしろって言ってるんだけど
学校なんかで負に振れたら、指向性云々関係なく真っ昼間でも襲われる
年度内は無理かなぁ」



…五条さんなりに色々考えてはいるのか



「そういえば、宵宮泊まってるよね?これも誕生日権限ってこと?」

「…アイツの我儘です。駄目なら隣の部屋で津美紀と寝てるんで」



Aは外出禁止なので、泊まりもアウトだ



「んーまぁいいよ
久々なんじゃない?恵は……一緒に寝ないの?」

「セクハラと不法侵入で訴えますよ。つーか、帰ってください
コレ、五条さんのケーキです」

「最近の若者は何でもすーぐ訴えようと」



前言撤回
アンタの無神経に付き合う気はない


ケーキ箱を押し付けると、来た窓から押し出し、容赦なく窓を閉める
今度こそ切なそうなのを放って、カーテンをした

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作者名:さくや | 作成日時:2023年10月10日 17時

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