夜宮祭【呪術廻戦】 (ページ18)

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18時過ぎ、時計を確認した伏黒がふと立ち止まる

『ん？どしたの』

「何か食いてえのあるか？」

『晩ご飯、食いてーの……なら、あそこ！』

＿＿

少し夕食には早いだけあって、席はまばらに空いている
二人は四人掛けのテーブルを陣取ると、食事を置いた

伏黒はラーメン、Aはオムライス

「フードコートなんかで良いのか」

『……なんかさ、ナカガワと五条さんって外食だと、基本ちゃんとした店にしか行かないじゃん
それにね、中学生二人でご飯って言ったら、定番はフードコートだよ！
恵こそ、いやじゃなかった？』

「俺はどこでも良い」

『良かった』

「欲しい物はあらかた買った
食ったら移動するぞ」

『はーい』

＿＿

青と白を基調とした大きな建物を見上げる

踏みしめるタイルもその二色で統一されており、所々に魚のシルエットが散りばめられている

親子連れが笑顔で帰って行く。子供は大きなイルカのぬいぐるみを抱き締めていた

『＿＿ってここ、水族館じゃん！
しかも夜の水族館やってるとこ！
え何、恵…私の話聞いて来たくなった？やっぱり面白そうだよね』

「……まぁ」

次なる目的地、水族館に着いた二人

『わ〜…魚って本当に寝るんだ……』

小さく絞られた照明
まるで海底のように淡い青に染まった館内

昼間と違い、人も魚も穏やかに、ゆっくりと時間を過ごしている

「水族館好きなのか」

『うん、好きだよ。泳いでる所ずっと見てられる』

Aは屈んで、近づいて来た魚をガラス越しに突いて遊ぶ

『檻の中だと分かっていても、分かってすらなくても、この狭い場所で何にも囚われずに自由に生きてる……ように見えるから
昔からちょっと羨ましくて』

「……」

『でもね、久々に見て分かったよ
無知で生きるのはきっと楽だけど、寂しいね
気付いて足掻いた今のが心に残ったモノは多いんだよ』

一頻り遊ぶと、魚は群れに戻って行く
Aはそれを見送ると、今度は伏黒の服の裾を掴んだ

『ほら、だって恵とも仲良くなれたよ
私が御家に染まってたら無理だった』

「確かにな」

それからAは裾を何度か引っ張った

『恵もしゃがんで』

「いや、別に＿」

『ん』

「……」

立っていても身長の数倍の高さはある水槽を更に小さくなって見上げる

「＿＿！」

『凄いよね』

見上げた光景は想像以上

水槽の中だと分かっていても海底の中から見上げているようで

少しの間、引き込まれた様に並んで見続けた

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