夜宮祭【呪術廻戦】 (ページ17)

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『……？』

「オマエ無駄に律儀だよな
探せない環境くらい俺も分かってる。それに誕プレがない年があったって、普通怒らねえよ」

『……でも年に一度だし、あげたかった』

「なら、今日は俺に付き合え」

目を丸めてぽかんとしているAを玄関から引っ張り出す

「誕プレっていうならそれで十分だ」

＿＿

「えー…再三聞かされているとは思いますが、最後に確認です
五条さんからの条件は４つ
・移動は我々、補助監督の車を用いること
・移動前後は五条さんに一報入れること
・何か異変があれば即連絡・帰還すること
最後に、日が変わるまでに帰ること
……以上ですね？」

「はい」

『(４つ目の何……？)』

伏黒に引っ張り出され、再び補助監督の車に乗り、
現在、目的地で補助監督から外出条件を聞いている

「移動につきましては、基本私が現地に残りますので、ご心配なく」

「助かります。すみません伊地知さん」

「いえ…大丈夫です
楽しんできてください」

「＿はい」

一瞬、伊地知の表情が青くなる

この何ヶ月、五条から無茶振りされる様を幾度と見たAは、何となく察しがついた

あぁ、多分また拒否権のない脅しをされて、それを思い出したんだろうな……、と

そんな可哀想な伊地知に見送られて二人は目的の施設に入った

『まさか本当に五条さんから外出許可を勝ち取ってるなんてね…びっくりだよ』

「まぁ……誕生日だからな」

『私は嬉しい限りだよ！
それでここ、アレだよね、新しく出来たショッピングモールだよね！何か買うの？』

クリスマスも近いことあって、赤と緑に煌びやかに着飾った大型複合商業施設

それに負けんばかりに目を輝かすA

「流石に替え時の家電製品とか家具がある」

『恵の家、極限まで物使う癖あるよね。ついに寿命がきちゃったのか……なるほど
ならあのお店どう？あ、あのお店も良さそう！
うは〜！どこから回る？恵』

たかが商業施設。さしものAも来た事はある

それを遊園地のアトラクションを前にした子供のようにはしゃぐので、いかに外に出たかったか、喜んでいるかがよく分かる

元来人混みが＿＿というより、人がストレスの伏黒は好んで人の集まる場所には行かない

遊園地に行く親の気持ちってやつだな

こんだけ喜んだら、そりゃ連れてくよな

今か今かと、そわそわするAに親心のようなモノを抱く自身に、なんでだよ、と伏黒は思わず嘲笑する

「……そうだな、端から見てくか」

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