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12月中旬 ページ15

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高専内__廊下



『遊びに行きたいー!外出たいー!!』

「俺にしがみついてもっ、意味ねぇだろ……!
五条さんにしろ!」


横からしがみつくA。それを離したい伏黒

お互い有らん限りの力で抵抗している姿は、駄々を捏ねる子と、親にしか見えない


「“玉犬”ッ!」

『ぐぇっ……!』


二人の間の影から現れた玉犬【白】がAの腹に頭突きを喰らわす

漸く伏黒が自由になった


「会った途端、酷い挨拶だな」

『だって!家と高専の往復、行かない日は自宅待機!
毎日毎日繰り返して何ヶ月……そろそろ外出たいよー!!』


「ちょっと前に俺と五条さんの誕生日やったろ
それに、五条さんが偶に連れ出してるだろ」

『確かに津美紀ちゃんや恵と会えたのは嬉しいよ
でも私は外に出たくて!』

「だから五条さんが」

『親か友達と行くかで買い物の楽しみ方も、度合いも違うじゃん!自由度も違うじゃん!後者が良い!!
見て、行きたい所リストも作れるくらい欲求不満なんだよ!』


『えーと、家の近くのケーキ屋併設のカフェ、最近できた大型ショッピングモール、余裕があれば映画館
あっ、今なら夜まで開いてる水族館もあって__』

「オマエな……」


ポケットから取り出したメモを勝手に読み上げられ、呆れて言葉を失う伏黒


「俺じゃなくて五条さんに言えって
そこら辺、あの人の管理だろ」

『まだまだダメ〜、しか言ってくれない』

「そもそも呪力操作が上手くできない所為で、自由にさせれないって聞いたが」

『……頑張ってるよ、上達もしてるよ?
外出ても多分一般人には迷惑かけない程度にはなってるよ?』

「……」


だからさ…と伏黒を見上げるも、呆れた顔が変わる事はない


『……じゃあもう良いもん!恵のバーカ!』

「やつ当たりだろ」

『そうだよ!じゃーね恵!』


スタスタ歩いて行く後ろ姿を見送って、伏黒は考え込むように口元に手をあてる


「あれ、宵宮いなかった?」


Aとすれ違いで家入が現れる


「外出たいって駄々言って、どっか行きましたよ」

「最近それしか言わないな
余程五条を説得したいのか、私が取り合わなかったから伏黒に言ったんだろ」

「どんだけすか……」


「漏出する呪力に指向性を付けれるようになったらしいし、あと一踏ん張りだと思うけどね
ま、流石にこんな生活集中切れるよ」

「……」

「じゃあ、宵宮探しに行くかな」

「…あの、家入さん」

「どうした?」


「五条さん何処にいるか知りませんか?」

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作者名:さくや | 作成日時:2023年10月10日 17時

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