暗い部屋 ページ35
『そっか』
丁度強い風が吹いて聞こえなかったが、とりあえず相槌を打っておくことにする。
『ここが私の家。で、ここから30mくらい直進したとこの、あそこの角を曲がると病院』
「…わかった」
なんとなく緊迫した雰囲気が伝わってくる。もし植物状態にあったら__とか
忘れようとしていた自分達にどう接してくれるのか__なんて、また馬鹿げたことを考えているのだろう。
そんなことより、本人の苦しみを考えてあげて欲しいのだが。
そして、ついででいいから私も癒して欲しい。
「…とうとう、着いたな」
そう呟くきんときの声に、誰も反応しなかった。する余裕もなかった。
『おし、入るか』
『あっ、久しぶりです』
「あらあら、今中さん、どうしたんですか、こんなに引き連れて」
『いやー、ちょっとね。そういや、あいつって今、面会OKですか？』
しばらく病院に通い詰めていたので、とうとう顔見知りになった受付嬢さんの一人と挨拶を交わしつつ本題について尋ねると。
「えーと…病室が移動してるわね。201から405になってる」
え？
4階って確か…
『階が高くなるほど…天、に近いんじゃありませんでしたっけ』
恐る恐る聞いてみる。
「…いや…そんなの迷信。実際、2階より4階のほうが完治率が高かった気がするから、大丈夫」
なんだ、杞憂か。
『あ、そうなんですね…じゃあ行こう、みんな』
「おっけー」と頼もしい返事をしてくれる五人がいる中、ばどさんは「どうしてこんなことに」と頭を抱えていた。
他人のお見舞いにいくとは思っていなかったのだろう。私も思わないし思いたくない。
これから知り合いになれそうな人との初対面が病院だなんて…
なんて考えながら、私は病室へ足を進めた。
-サクシャガタリ-
ネタバレ注意。
受付の人が言っていたのは、「余命宣告を受けなかった中での」二階と四階の完治率です。いっかい死にかけたところを助かったから、リハビリ意欲は高いのではないか…という推測と伏線のため。
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。名前を何回設定しても今中燐のままです。何故だか分かりませんか？ (2020年6月23日 16時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - ベルサイコカノンさん» 更新あざす(大声) (2019年5月31日 21時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルサイコカノン(プロフ) - まめのさん» ドンドン長くしてくれてもいいですよは草w あざす(小声) (2019年5月29日 21時) (レス) id: aef7678478 (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - ベルサイコカノンさん» な、なんか頼まれた…ww逆にﾄﾞﾝﾄﾞﾝ長くしてくれてもいいんだぞwkwk (2019年5月25日 13時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルサイコカノン(プロフ) - まめのさん» レス遅れ申し訳ないです。多分うんざりするくらい長くなるはずですが私は書きます。後は頼みました() (2019年5月24日 22時) (レス) id: 7c4785a38b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベルサイコカノン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bellkanon5/
作成日時：2019年4月28日 21時
