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あたたかい思い出と、二人の大事な話。 ページ36

「…吹っ切れるのが異常に早くないか?」

カウンセラーはAのニコニコ顔に戸惑った。

「鬱になりかけて、自分の周りの空気だけが重くなっていた、2週間前の竜崎Aはどこいった?」

「…大事な事に気がついて。周りの事じゃなくて自分の気持ちを優先しようって」

「……そうか」

今回のカウンセリングはいつもより早く、いつもより楽しげな雰囲気の中で終わった。




まずは自分の気持ちを優先する。
その為には、大好きだった人…否、“大好きな人”の事を思い出さなければならない。

「うーん…とりあえず書いて整理しようか」

近くにあった適当な紙を引っ張り、ただひたすら頭を回転させる。

その人の好きな食べ物
趣味
性格
周りにはどんな人がいたか……

自分が知りうる限りの情報を、出来るだけ詳細に記していく。

「…あ、そういえば、変なところでいきなり笑う癖があったっけ……それでその後必ず『面白くない』って…今思えば結構濃い人だなぁ」

「お寿司屋さんに行った時は、お稲荷さんしか食べてなかった…あと、そこで仲良くなった家族の人も…」

「ゲームセンターに行った時は、一緒にいっぱいはしゃいだんだっけ。家族の人がウンザリしてた…楽しかったなあ」

思い返せば思い返すほど、幸せだった頃の日々が恋しくなった。人を傷付ける吸血鬼との記憶はない。全部全部、優しくて、楽しくて、あたたかい思い出だ。

自然と口元は緩み、目尻は垂れていく。


母「……A、晩ごはん一緒に食べましょ」

そんな幸せな時間に、冷たい声が響いた。




「…なにか、私に話でもあるの?」

父「……Aは中々鋭いなあ…そうだよ、大事な話だ」

父は疲れきって、目の下の隈が昨日よりハッキリとしている。母はとても顔色が悪い。

母「…実はね、私達、随分前から仲が悪かったの。Aが居なくなるちょっと前から。それで、Aが居なくなってから、それがお互いに爆発しちゃって。」

父「毎晩毎晩、喧嘩三昧だったよ…Aが帰ってきてからは少しは収まったんだが……お前の事でも、意見の食い違いはあった。」

「…うん。それで?」

母「だから…Aに大変な思いさせちゃうけど、…暫く別居することになったの」

「そっか」

何とも思わない訳ではないが、大して驚かなかった。二人は申し訳なさそうな顔をしている。

父「お父さんが別の家に…荘っていう、色んな人が住んでる所に行くんだ。その荘の名前は____」


「……え?」

会いたい→←やっと気がついた



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- 続きを読むのが楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年7月4日 22時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 葵さん» 初めまして、ありがとうございます^^ やっぱりコメント貰うと嬉しくなって効率が上がりますね(単純)私が日々妄想してきたラストまであともう少し!それまで私の妄想に付き合って頂けたら嬉しいです! (2017年7月4日 0時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!夢主ちゃんと椿さんがどうなってしまうのか、気になります!更新頑張って下さい! (2017年7月3日 23時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 狐灯さん» ありがとうございます。血は結構な量でしたよ、その時着てた服は下着まで血みどろでした^^まあ、「お、なんかいっぱい血出てる」としか認識してませんでしたけど…笑 夢主ちゃんがこれからどうなるのかは…なにも言えませんね笑詳しくはwebで!(なにも載ってないです) (2017年7月3日 1時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
狐灯 - 死ぬほど…!?む、無理しないで下さいね…?お話、凄く好きです!これからどうなってしまうのか…気になります…!女の子が、何を選択するのか…また、椿さん達と笑える日々が来れば良いなぁ…って、思ってしまいますね…(苦笑) (2017年7月2日 22時) (レス) id: 9ad341cd76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐糖さん。 | 作成日時:2017年1月15日 16時

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