揺れるこころ ページ20
汗を流しながら、息を切らしながら、それほど速くもない足で街を走る。
頭の整理はまだついていない。理解すらしていない。
露木「___そう言われても…俺は真実を言ったまでですから。」
御国「混乱するのは分かるよ、普通に考えたらありえない話だしね。でも本当なんだ。証拠、見せてあげる?俺の蛇、ジェジェって言うんだけど、こいつもそうなんだ。…ほら、ジェジェ」
御国「___ね、びっくりした?」
露木「…と言うことなので、俺らから話せることは以上です。何より、あなたがなにか情報を持っていたら良かったのですが……残念です」
御国「あ、そうそう!君がこれからどうするかは君次第なんだけど、俺はもう椿とは関わらない事をオススメするよ。」
流石に疲れてきたので、スピードを緩め、ゆっくりと止まった。膝に手をつき、肩で荒々しく息をする。こんなに走ったのは初めてだ。
Aはしゃがみこみ、御国たちから聞かされた事を思い出して、順に整理していく。
___突飛で、おとぎ話みたいな話だ。
それなのに、本当の話ではないかと疑ってしまう自分がいる。
「…椿さんを疑うなんて、私___」
椿「Aちゃん!ここに居たの?探したんだよ、全く…」
後ろから声をかけられ、驚きつつも振り返る。椿が、心配そうにこちらを覗いていた。
「椿、さん…」
椿「帰ってくるのがいつもより遅いから、心配になって桜哉と探してたんだよ〜」
「あ…すいません」
何時もと変わらない椿の姿を見て、Aはほんの少し安心する。
遅くなった理由も一応話した方がいいだろうか、とAは口を開いた。
「今日、ある人たちに会って…その、お話をしてたら……遅くなりました…」
椿「…ある人たちって誰のこと?」
急に目を逸らし、言葉を選ぶようにして話すAを、不審に思ったのだろうか。椿が口を袖で隠しながら聞いてきた。
「えっと…御国さんと、露木さんっていう人で…」
Aの口から二人の名前が出た瞬間、椿は目を見開き、ずい、とAに近づく。
椿「その二人となんの話をしてたの?」
やけに食いついてくる椿にAは戸惑った。御国たちの話を椿にするのは何故か気が引ける。
「えっと、その、___」
「_____“吸血鬼”についてのこと、です」
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葵 - 続きを読むのが楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年7月4日 22時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 葵さん» 初めまして、ありがとうございます^^ やっぱりコメント貰うと嬉しくなって効率が上がりますね(単純)私が日々妄想してきたラストまであともう少し!それまで私の妄想に付き合って頂けたら嬉しいです! (2017年7月4日 0時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!夢主ちゃんと椿さんがどうなってしまうのか、気になります!更新頑張って下さい! (2017年7月3日 23時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 狐灯さん» ありがとうございます。血は結構な量でしたよ、その時着てた服は下着まで血みどろでした^^まあ、「お、なんかいっぱい血出てる」としか認識してませんでしたけど…笑 夢主ちゃんがこれからどうなるのかは…なにも言えませんね笑詳しくはwebで!(なにも載ってないです) (2017年7月3日 1時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
狐灯 - 死ぬほど…!?む、無理しないで下さいね…?お話、凄く好きです!これからどうなってしまうのか…気になります…!女の子が、何を選択するのか…また、椿さん達と笑える日々が来れば良いなぁ…って、思ってしまいますね…(苦笑) (2017年7月2日 22時) (レス) id: 9ad341cd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐糖さん。 | 作成日時:2017年1月15日 16時