久しぶりのお散歩で、夢主は機嫌がいいようです。 ページ12
今日は、久しぶりに椿と二人で散歩をした。ここ最近、仕事が立て込んでいたらしく、毎日のように二人で散歩をしていたのが、1週間ほどお預けになっていたのだ。
椿「ふふ、随分と機嫌がいいね、楽しかった?」
「はい、椿さんとのお散歩大好きですし、久しぶりだったので!」
駆け足で横断歩道を渡っていく。Aはいつも白線の上だけを歩くので、椿はそれを見て「やっぱり幼いな」と一人微笑むのが散歩をするときのお決まりとなっていた。
少し長めの横断歩道を渡りきれば、そこにはもう、椿たちの拠点となっているホテルがある。中に入ると、高級感漂うホテル内は相変わらず宿泊客でいっぱいだった。
椿「今日もたくさん人が居るなぁ」
「ホテルの人も大変ですね」
椿「まあ、僕たちには関係ないよ」
そう言ってエレベーターに乗り込み、エレベーター特有の揺れに身を委ねる。しばらくして、チン、と少し高めのベルの音と共にドアが開いた。
長い廊下を歩き、1つのドアの前へ。
椿がロックを解除し、ドアノブを回して開けてくれた。
「ただいまです!」
椿「ただいま〜」
そんな二人を1番にシャムロックが迎える。
シャム「お帰りなさいませ。若、A様、ダッツが冷えてますよ」
「わぁ、本当ですか!」
Aはキラキラとしたエフェクトを身に纏い、足早にリビングへと向かう。
シャム「…今日のA様は随分とご機嫌ですね。可愛らしい、幼子のようだ」
椿「僕と一緒に散歩したのが嬉しいんだって。Aちゃん、僕のこと大好きだよね。普通、年頃の女の子は好意を伝えるのを躊躇うのに」
シャム「はは、そんなA様に、若も惹かれたのではないでしょうか」
シャムロックは、柔らかく椿に微笑みかけた。椿もクスリと笑い、「そうかもね」と返す。
「椿さ〜ん、ダッツ早く食べましょ〜?」
未だ玄関にいる二人の耳に、Aの待ちきれないと言うような声が聞こえてくる。
椿「待って、すぐ行くよ」
リビングのドアを開ければ、Aが三人分のダッツを用意して待っていた。
「よければシャムさんも一緒に食べませんか?」
A様が自分の分も用意して下さったなんて。
シャムロックの胸に、温かいものが広がる。
シャム「…ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」
三人は、外気に触れてほんの少し柔らかくなったダッツを、談笑しながら食べた。
_____この小さな幸せが狂うまでのカウントダウンが、もう始まっているとも知らずに。
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葵 - 続きを読むのが楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年7月4日 22時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 葵さん» 初めまして、ありがとうございます^^ やっぱりコメント貰うと嬉しくなって効率が上がりますね(単純)私が日々妄想してきたラストまであともう少し!それまで私の妄想に付き合って頂けたら嬉しいです! (2017年7月4日 0時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!夢主ちゃんと椿さんがどうなってしまうのか、気になります!更新頑張って下さい! (2017年7月3日 23時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
佐糖さん。(プロフ) - 狐灯さん» ありがとうございます。血は結構な量でしたよ、その時着てた服は下着まで血みどろでした^^まあ、「お、なんかいっぱい血出てる」としか認識してませんでしたけど…笑 夢主ちゃんがこれからどうなるのかは…なにも言えませんね笑詳しくはwebで!(なにも載ってないです) (2017年7月3日 1時) (レス) id: bb39dbcc66 (このIDを非表示/違反報告)
狐灯 - 死ぬほど…!?む、無理しないで下さいね…?お話、凄く好きです!これからどうなってしまうのか…気になります…!女の子が、何を選択するのか…また、椿さん達と笑える日々が来れば良いなぁ…って、思ってしまいますね…(苦笑) (2017年7月2日 22時) (レス) id: 9ad341cd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐糖さん。 | 作成日時:2017年1月15日 16時